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かつて僕を救ってくれたライフハックへの想い

思い返せば僕は実に要領の良くない人間であった。

新入社員の頃、やるべきタスクに追われてはやりもらし、満足に資料も作れず、説明は分かりづらいと言われた。そのくせ威勢の良いことを言ったり、自分の実力もわきまえずにアサインに文句をたれていた。

あれから18年経ち、仕事でもそれなりの数の部下を持ってきた。特に転職先で受け持つことになった部下の大半は、どう考えても自分の新入社員時代より優秀だった。

かつて僕を救ってくれたライフハックとの出会い

今でこそ、プロマネも、企画も提案もプレゼンもアーキテクトもそれなりにこなせる様になってはいるし、新入社員の時に「こういう事をやりたい」と思っていた理想像には大分近づけていると思う。

しかし、そのスタートラインは順調とは言いがたいものであった。炎上プロジェクトに配属され、雑用を一手に引き受けながら、半ば放置気味で、開発にアサインされたり、客先提案を行う同期を羨ましく見ていた。

最初の上司は不思議な人で、新入社員の自分から見ても説明が回りくどく何を言いたいのかよく分からなかった。そこにスキルも知識もないど新人の自分が入ってきて、宇宙人上司のよく分からない指示の元適当に動くモノだから、営業から幾度となく怒られる羽目になった。

今にして想えば、上司もその仕事のことがよく分かっていなかったのだと思うし、部下を育成することにも慣れていなかったのだろう。

そんな状況だったので、新人Beckは兎にも角にも「営業に怒られない」「お客様に迷惑を掛けない」ように改善を図るべく必死に藻掻く毎日を送っていた

エライ人からは資料を破り捨てられ「僕の頭が悪いからかな、君の話が全然理解できない」と言われたこともあった。今ならパワハラ事案だが、15年前はまだ怒号と灰皿が飛び交い、能力が足らない新人など激詰めされて然るべきという風潮があった。

本を読みあさり、自己啓発な本も沢山読んだが、大上段から心構えを説かれたところで、営業に怒られたり、エライ人に詰められる事態を避けることは難しかった。

そんな自分に出会ったのがライフハックであり、タスク管理やプレゼンの具体的な手法やテクニックであった。会社では誰もメモの取り方や情報の整理の仕方、タスク管理の方法を教えてくれなかったが、ネットや本には具体的なやり方が紹介されており、藁にもすがりたい自分にとってライフハックとの出会いは将に救いであった。

再現性のある具体的な手法≠効率化

会社では誰も、結論を先に書くとか、1スライド1メッセージやPREP法みたいなことを教えてくれなかったけれど、本やWebから多くのプレゼンに関する知識を習得することが出来た。ロジカルシンキングを学んだ事で、資料を作るのも説明をするのもそれなりに出来る様になった。

7つの習慣方式のタスク管理から始まり、マニャーナの法則やGTDと出会い、仕事が随分上手く回せるようになった。クラウドやスマホが当たり前になる前の自分にとって、手帳という相棒を得た事も非常に大きな出来事であった。

僕にとってライフハックとは「再現性のある具体的な手法」である。ある人はそれを「効率化」というのかもしれないが、それは仕事が出来る人の視点であり、仕事ができない当時の僕にとっては「出来ない」が「出来る」に変わるエポックメイキングであった

仕事を回せるようになったころ営業からは「私が北君を育てた」と言われ、客先への提案が上手く回り出したとき、資料を破り捨てたエライ人からは「よく努力している」と褒められた。

その後も、幾度となく仕事で辛い状況に陥ったが、その状況を乗り越えてこられたのは、誰かのライフハックのおかげだったり、或いはライフハック的なアプローチを身につけ自らの手法を組み立てられるようになったおかげであると考えている。

ライフハックをブログや勉強会で発信し続ける理由

これは今までも何度となく言ってきたことなので、知っている人もいるかもしれないけれど、僕がブログや勉強会でライフハックを発信し続けているのは凄く単純で「かつての自分の様にしんどい思いをしている人の助けになりたい」と割と真剣に想っていたりする。

「ライフハック(笑)」とか「手段と目的が逆転している」とか色々言われてきたし、きっと「コイツは十数年間同じ事ばっかりやってるな」とも想われていると思う。(大半の人に撮って僕は取るに足らない存在なので、そもそも認知すらされていないわけだけど)

ライフハックはオワコンかもしれないが、ここ数年僕の部下となった若者達にはなるべく具体的な手法を伝えるように心がけてきたし、このアプローチはそれなりに功を奏したし、喜ばれもした。

もしかすると「ライフハック」のような人によって解釈が異なるキーワードを使うべきでは無いのかもしれないけれど、残念ながらこれ以上に適した言葉を知らないため、今は僕にとっての「ライフハックの定義」を発信することにしている

ビジネスであれば多くの人に届くことを目指すべきかもしれないが、僕のライフハック情報発信活動においては「誰か一人の役に立てればそれで成功」であり、少なくともそういう在り方で今後も臨みたいと思っている。

さいごに

ある人にとってはライフハックとは一種の「伊東家の食卓」的なテクニックであるかもしれないし、ライフハックフリークスはただの「効率化厨」と思われているかも知れない。

ただ、だからといってそれらが僕がライフハックについての情報発信を辞める理由にはならない。僕には僕の信念があり、理由がある。

ただ、それらをこれまで以上に丁寧に、分かりやすく発信していく必要があるとは思う。僕の想いなど誰も知らないし、それを察して貰えるほどのコンテキストを共有できている人はそれほど多くない。

これからも、ブログやYoutube、勉強会などで、時には人生の救いともなる再現性のある具体的な手法としてのライフハックを発信していきたいと思う。


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