ここ最近立て続けに、美崎栄一郎さんが主催される朝会「築地朝食会」、勉強会「UNDERGROUND」、PODCAST「仕事の楽しさ研究所」などにゲストで参加させて頂くという好機に恵まれました。
美崎さんは本の内容もさることながら、話し方、考え方など実際に会って肌でその凄さを感じれたこともとても幸運でした。
勉強会「UNDERGROUND」(mixiにリンク)やPODCAST「仕事の楽しさ研究所」では僕が何故本を書き、BLOGを書くのかという、僕自身も気づいていなかった、今の僕を形作るとても重要なことを引き出して貰うことができました。
改めて僕の考え、想いをここに記しておきたいと思います。
■僕が本を書き、BLOGを書く理由
僕が本を書くきっかけなどは「EVERNOTE情報整理術ー「あとがき」に代えて(裏話あり)」に書いていますが、この記事でその中に書いてあった
シゴタノ!の大橋さんとライフハック心理学の佐々木さんです。勿論お二人のことはもう少し前から知っていて、ここにLifehacking.jpの堀さん(@mehori)を加えたお三方というのは、2007年から今に至るまで僕が最も尊敬し、勝手にメンターとして慕っている方々なのです。
僕は2005年に社会人になったので、2007年と言えば社会人3年目の頃です。自分の中でも「仕事がうまく回せない」「成果がなかなか出せない」と焦りと不安で一杯だったことをよくよく覚えています。その頃に出会ったのがLifehacking.jpやシゴタノ!であり、お三方が発信していた情報によって苦しい時期を乗り切ることができたといっても過言ではありません。(勝間さんの本「自分をグーグル化する」にも大きな影響を受けましたが、それはまた別の話)
この部分をもう少し掘り下げていくと、僕がBLOGを書き、本を書くことになった理由が見えてきます。
とても格好の良い話ではなく、僕にとっては恥とも言える部分を晒すことになるので、本当は隠しておきたいのですが、僕にとってBLOGを書くこと、そしてその延長である本を書くことがとても特別なことだと知って頂きたいので、敢えて恥ずかしい過去を晒したいと思います。
■何もできなかった新人時代
僕は1年目は殆ど仕事らしい仕事をしていません。
上司と上手くコミュニケーションが取れていなかったため、上手く仕事がもらえず、ずっと研修を受けたり資格の勉強をしたり、部内の雑用を一手に引き受けたりといった具合でした。
同期はプロジェクトに従事して毎日忙しく働いているのに、僕はと言えば雑用ばかりで定時帰りの日々・・もっと頑張りたいのにどうしていいか分からない日々を送っていました。
この時の僕はただ「上司が仕事を振るのが下手だ」とか「周りが仕事を教えてくれない」と恨み節ばかりをたれていた気がします。
もし昔に戻れるなら、引っぱたいて「周りのせいにするな」と言ってやりたいぐらい、勝手に自分のことを不遇だと思い込んでいました。
2年目に入り、なんとかそれなりに仕事らしい仕事をやるようになって行ったのですが、上司と上手くコミュニケーションを取れず、仕事でも大きな成果をあげることもできず、ひたすら毎日「辞めたい」と思う日々を過ごしていました。
■転機は突然訪れた
そんな僕に転機が訪れたのは、3年目(2007年)に入ってすぐのことでした。
かねてから希望していた”新規事業開拓チーム”に入り、これまでとは全く異なる業務に従事することになりました。別の上司の下に入り、非常にデキる部長、統括部長などに囲まれながらスタートしたその業務で一番はじめに待っていたのが「挫折」でした。
それまでただ「仕事は振られる物」、「言われたことをやればいい」、「悪いのは周りが教えてくれないから」・・・といったスタンスでいた人間に、新しい業務・・それも創造性と戦略性を求められるようなクリエイティブな仕事が出来るはずも無かったのです。
その時の上司は凄くデキる人で、僕の様な駄目社員でも上手く使って業務を回していました。
なので口が滑っても「上司のせい」なんて言えないわけですし、明らかに上司/上位上司にまったくついていけず、何もできない自分を嫌が応にも認めざるを得ない状況でした。
それこそ、上位上司からはぼこぼこに言い負かされ、考えの至らない読むに耐えない資料は破り捨てられもしました。
うまくいかない日々の中で自分の無力感にうちひしがれ、毎日悔しくて泣いて、ちゃんと寝ることすらできなくなりました。その時僕のことを気に掛けてくれていた先輩と飲みに行って号泣したこともあります。
この時は何もできない自分がただただ悔しかったんです。
■やれることは全てやった
そこからはがむしゃらでした。
ちょうど「7つの習慣」の研修プログラムを受ける機会もあったので、凄く真剣に自分の人生について、仕事について考えました。自分の至らなさ、未熟さ、稚拙さとも向き合いました。
フランクリン・プランナーを購入して、なんとか自分の現状を打破しようともがきました。僕が手帳をとても自分にとって大切なツールに位置づけているのは、この頃から僕にとって手帳が欠かせないパートナーになったからです。
冒頭でも書いていたとおり、Lifehacking.jpやシゴタノ!と出会ったのもこの頃です。
「どうしていいか分からない」状態になっていた僕にとって、堀さん(@mehori)、大橋さん(@shigotano)、佐々木さん(@nokiba)の発信される「情報」と、その後ろに見え隠れする「考え方」は本当に衝撃的な出会いでした。
お三方のやり方を見よう見まねでやってみたり、薦められていた本を買って読んでみたりと・・僕はこの時がむしゃらに努力をしなければ自分を保てない状況になっていたのですが、その”目指すべき所”を示してくれたのがこのお三方だったのです。
■もう一つの転機
年が明けて2008年。
徐々に新しい業務のコツの様な物をつかんできたこともあって、この時期にはそれなりにやっていけそうな感触を持っていました。
ようやく、アイデアを出して、提案資料を作り、客先でプレゼンするといった一連の作業を任せて貰えるようになりました。そして、同時に上司や上位上司の交渉力や仕込みの凄さを目の当たりにして奮起する機会にも恵まれました。
挫折してから約半年、自分の心の持ちようを変え、がむしゃらにやったことによる「結果」が徐々に出だした時期でした。
そして、2008年3月。
年度の最後にとても大きな山があって、そこに社内5部門20名からなる合同チームで臨みました。このチームの情報をとりまとめ、プレゼン資料を作り、客先へプレゼンするという大任を僕が任せられることになったのです。
上司が進め方を一任してくれたこともあって、非常に高いモチベーションで取り組みました。毎日朝7時に会社に出て、終電で帰る日々。資料をこれでもかと作り込み、プレゼンの練習も無茶苦茶やりこみました。
文字通り、全身全霊で仕事に取り組みました。
プレゼンが終わった後、 合同チームで”打ち上げ”を行いました。 一緒に戦った仲間と共に労をねぎらいあったのですが、一番印象に残っているのが、資料の方針で何度もバトルを繰り広げた他部門の部長さんから「君と仕事ができてよかった。よく頑張ったね。」と言ってもらえたことでした。
ずっと僕の無茶につきあってくれた同じ部署の仲間に心から感謝を述べることができました。仕事で涙ながらに「ありがとう」と互いに感謝の気持ちを伝えあうことが出来たのはこの時が初めてでした。
■僕は幸せだった
うまくいかず悶々とした日々を過ごし、挫折し、努力し、そして全身全霊で仕事に打ち込んだことで僕は多くのことを学びました。もしもあの挫折が無ければ、僕は自分の性根を正すことができずにいたかもしれません。
そして、挫折をした僕を気に掛け助けてくれた先輩や、Lifehacking.jpやシゴタノ!との出会いがなければ、僕はきっと立ち直ることもその後の「結果」をつかむことも出来なかったと思います。
全ての出来事と、全ての出会いが今の僕を形作っています。
今思えばですが、僕はとても幸せだったのだと思います。
■そして、僕はBLOGを書くことに決めた
2008年4月、たった半年で僕は”新規事業開拓チーム”を抜けて別の開発チームに異動になりました。心機一転、新しい日々がはじまったわけですが、その中で僕は一つ重大な決断を行いました。
ライフハックや仕事術に関するBLOGを書こう
Lifehacking.jpやシゴタノ!によって僕は多くの学びを得ただけでなく、窮地を救ってもらい、人生を変えるきっかけを貰いました。
僕にできることがちっぽけな事かもしれませんが、ほんの少しでもいいから誰かの役に立ったり、誰かの気持ちを楽にするお手伝いができればいいなと思って書き始めました。
また、同時期に読んだ「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」(勝間和代著)で学びを最大化させたければBLOGでアウトプットすると良いという内容にも後押しされました。
BLOGでアウトプットし続けることで自分の能力を高めたいという想いは書き続けるモチベーションになりました。
2008年の5月から数えればもうすぐ丸3年になりますが・・・僕自身の成長と共にこのBLOGも成長を遂げました。
最初は誰に読まれるわけでもない、ちっぽけなBLOGでしたが、徐々に読んで下さる方が増えて、「役に立った」とか「面白かった」といった嬉しいコメントも頂けるようになりました。
また、このBLOGをきっかけとして人付き合いの話が広がり、2010年は東京ライフハック研究会や、様々なオフ会などを通じて本当に多くの方と出会うことができました。
シゴタノ!、Gihyo.jpといったサイトで記事を書くことも、本を書くことも僕にとっては「BLOGを書くこと」の延長です。
東京ライフハック研究会もそうです。誰かの役にほんの少しでも立てるなら、2007年の自分と同じような状況に陥っている人を助けられるなら・・そう思って活動の幅を拡げていきました。
まだまだ僕も、BLOGも、その他様々な活動も発展途上です。発展途上故に、僕は自分の感じた困ったことと、試行錯誤の結果を実感を込めて伝えることができます。
僕が成長し続ける限り、このBLOGを終えることも、様々な活動をやめることもないのだろうと思います。(個別には選択と集中や、大人の事情で辞めざるを得ない場合もあるかもですが)
BLOGや本に対して「これからも応援宜しくお願いします」と言うつもりはありません。
僕にとって、このBLOGを通じて知り合えた方、このBLOGを読んで下さっている方、本を読んで下さった方全員が仲間です。仲間に対して「これからも応援宜しく」なんておかしいですよね。僕が最後に言いたい一言はこれ
これからも一緒に頑張って生きて、一緒に面白いことやりましょう!
これからも沢山の仲間と共に笑い会い、刺激し合いながら歩いて行ければ是幸い。
■Other Story
この3年間BLOGを書き続け、去年1年リアルな活動も続けてきた結果、僕には過ぎたるほどの素晴らしい仲間ができました。その中に血のつながりこそないにしても兄弟の様なつながりを持っている人がいます。
Find the Meaning of My Life.のKazumotoさん(@kazumoto)とLastday.jpのRayさん(@sayobs)です。
普段から大変お世話になっているのですが、お二人が書いて下さった以下の記事にとても勇気づけられ、これからも頑張っていこうと決意を新たにしました。ほんまに、今までBLOG書いたり、色んな活動頑張ってきてよかったなぁって・・この場を借りてお礼を言いたいと思います。これからも一緒に頑張りましょう(><)ノ
EVERNOTE 情報整理術を書いた 北 真也さんという方 @beck1240 | Last Day. jp
初めて読んだ個人ブログが北真也さんのHacks for Creative Life!した。当時大病をして、1年もの間ベッドで寝たきりの生活を余儀無くされた僕はBECKさんのブログを読みあさって、仕事術について学んだ。当時ベックさんのブログは更新頻度があまり高くなく(今でも更新頻度高くないけどw)RSSリーダーの存在も知らなかった僕はベックさんのブログにブックマークを辿って毎日今日は更新されているかな?と巡回しに行ってた記憶がある。それで更新されたら本当に嬉しくて何度もエントリを読み返していた。
この記事を読んだ後全力で泣いてしまいました・・
日刊Kazumotoダークサイド No.36 – Kazumoto’s Eye
いきなり個人的なことになるが、今年は俺の人生でもベスト5に入るであろうくらい、いろいろな機会に恵まれた年となった。ありがたいことである。その中でも北真也という男と出会えた幸運は、(信じていないが)神に感謝せねばならないことだと、勝手ながら思っている。「北真也」という本名より、ベック君(@beck1240)と言った方が「ああ」という人も残念ながらまだ多いかもしれない。しかし、来年には彼の本名は世間に知れ渡ることになるだろう。
執筆で身も心もボロボロになっていた時期にこの記事を読んで、かなり救われました。
[…] 以前「僕が本を書き、BLOGを書いている理由ー全ては挫折からはじまった」という記事で僕がライフハックBLOGを書き始めたルーツについて述べたことがある。 […]
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