待ちに待った「7つの習慣」のオーディオブックが遂にFebeで配信されました。
- 7つの習慣―成功には原則があっ..
- スティーブン・R・..
- 定価:2097円
書籍を読み、会社で研修を受け、研修のおまけについていたサマリ版のCDブックを何度も聞き返し、人生で最も影響を受けた一冊と言って過言ではない「7つの習慣」。速攻で購入して、通勤やランニングの途上でヘビーローテーションしています。
そんなわけで、これから暫くオーディオブックを聴きながら考えた事、本書と出会ってからの経験と照らし合わせて自分なりに思う事なんかを書き連ねて行きたいと思います。
■「7つの習慣」の7つの習慣
7つの習慣は書名からも分かるとおり、第一から第七までの7つの習慣が紹介されています。これらの習慣は大きく「私的成功」「公的成功」「再新再生」の3つのグループに分けられます。まずはざっと見てみましょう。
私的成功の習慣
- 第一の習慣:主体性を発揮する
- 第二の習慣:目的を持ってはじめる
- 第三の習慣:重要事項を優先する
公的成功の習慣
- 第四の習慣:Win-Winを考える
- 第五の習慣:理解してから理解される
- 第六の習慣:相乗効果を発揮する
再新再生の習慣
- 第七の習慣:刃を研ぐ
「7つの習慣」ではまずは私的成功の習慣である第一、第二、第三の習慣を身につけることで「依存」状態から「自立」状態にいたり、公的成功である第四、第五、第六の習慣を身につけることで「自立」状態から「相互依存」状態へと移ると説いています。
相互依存という言葉はピンと来ないかも知れませんが、自立した個人同士が素晴らしいチームワークやコミュニケーション力を発揮して一人一人では出せないような大きな成果を成し遂げる・・もう少し砕いた言い方をすると卓越した才能同士のコラボレーションのすばらしさを目の当たりにした人は少なくないと思います。
■「インサイド・アウト」と「農場の法則」
今回オーディオブックを聴いていて「おっ!?」と思ったのが次の一節でした
才能が認められるという二次的な成功が欲しければ、まず人格と能力を向上させるという一時的な成功に焦点を合わせることである。
インサイド・アウトの考え方では、私的成功が公的成功に先立つ。(P.46)
インサイド・アウトというのは、何かを変えたい時には自分の内側から変えよう、という考え方です。言ってしまえばそこまでですが、この例はすごくよく分かるなと。(抜粋の仕方が誤解を招くかも知れませんが、公的成功が二次的な成功という意味合いではないので御注意ください)
「成功」や「評価」を求めること自体は悪いわけではないけど、それはあくまで「二次的な成功」でしかないわけです。評価されたければ、評価に足るだけの人格や能力を磨き、結果として成果を出す必要があるわけです。
仕事でなくとも、例えば「有名になりたい」とか「お金持ちになりたい」と思うのなら、どうやったらそれを実現出来るかという「手段」を考える以前に、自分自身がその結果に足る人間になれているかを考え、足らないと思うならそこを磨く必要があるわけです。
もう一つ、これに関連する「農場の法則」も取り挙げておきます。
人の成長も人間関係も自然のシステムであり、農場の法則が支配しているのである。(P.14)
「7つの習慣」では農場では場当たり的な詰め込み仕事はできないことを例に取り、手っ取り早いテクニックや手法では真の成長や人間関係は得られないと説かれています。テクニックは勿論有用であるわけですが、それはあくまで土台となる人格や信頼があるからこそ有用たり得るということです。
自分を成長させたり人間関係をよくしたいと考えるなら、農場作業の如く、ちゃんと種を蒔き、水や肥料を日々与えなければなりません。日々勉強し続けること、日々周囲の人々との良好なコミュニケーションを維持する努力を怠ってはいけないわけです。
つまり、インサイド・アウトの考え方に則ってまずは自らの能力や人格を磨こうと考えた場合、短絡的なテクニックや手段は使えず、「農場の法則」に従って日々磨き続ける他道はないということです。
■「私的成功が公的成功に先立つ」の本当の意味
かつて「私的成功が公的成功に先立つ」という言葉を聞いたときには「何かの能力が長けている自立した人間にならなければ、誰かと事を成し遂げることなんてできない」と解釈していたのですが、今回の復習でこの考えは短絡的に過ぎると気づきました。
インサイド・アウトの考え方を常に念頭に置きつづけることで、「どんな時でも変えるのは自分」であることに気づきます。例えば、他の人に信用されたいのであれば、まずは信用に足る自分になる必要があります。
チームとして良い仕事をしたいと思うのであれば、他のチームメンバーをどうすればいいかを考えるよりも先に、自分がチームに貢献できることは何かを考え実行し、必要と考えられる能力を磨き情報を集め、チームメンバーを信用した上で信頼関係を築くための方策を実行に移す必要があります。
仮にリーダーがチームとしての公的成功に十分貢献できるだけの私的成功をおさめていると言いがたい状態で、更にチームとしての問題を全て自分の外に求めている状況を想像していただければ、そのチームが間違いなく不幸になるだろうと誰もが思い至ることでしょう。
しかしながら、「無能なリーダーがチームを殺す」光景は今日もあちらこちらで見ることができます。
能力や人格が至らないことは、その時点では仕方の無いことですし、足らない部分は別のことで埋めたり、他の人の助けを借りるといった代替手段を取る事もできるでしょう。しかしながら、足らないことに気づくこともできず、最終的には「俺の周りは無能な奴らばかりでツイてない」などと全て他人のせいにする人は、絶対にチームとしての成功(公的成功)を得ることは出来ないでしょう。
■まとめ
これまで何度も「インサイド・アウト」や「農場の法則」という言葉を見聞きしてきましたが、今回オーディオブックを聴き直してみて改めて気づかされる点も多々ありました。ざっとまとめると次の3点となります。
- 成功や評価を求めるのでは無く、まずは自分がそれに相応しい人間になることを目指す。
- 成長や人間関係に近道無し。日々の研鑽・気配りを怠らない。
- チームとしての成功の為に、まずは自分が貢献できる事、足らない部分を把握する。
余談ですが、一時期流行ったセルフブランディングも、実の伴わないただの売名行為ではなく、自分の趣味趣向や特技の適切なプレゼンテーションによる知名度の獲得であるべきと考えています。
現状を変えたい、日々よりよくしていきたいと思う方であれば、まずは自分から変えていく「インサイド・アウト」の考え方と、成長や人間関係に近道はないという「農場の法則」の考え方は非常に役立つことと思います。
参考文献
7つの習慣―成功には原則があっ..
- スティーブン・R・..
- 定価:2097円