最近はこういう内面系の記事は「ほぼ日べっく」(追記:Posterousが亡くなったのでリンク切れ)の方に書いていたので、こちらに書くのはなんだか久しぶり。
今回書く内容は自分としても、このBLOGとしても非常に重要なことだと思うので、今日はこちらで書きたいと思う。
■なんだかチグハグな日々
ここ最近どうにもチグハグだった。
いや、振り返れば去年の夏ごろからどうにもチグハグな毎日を送っている。特に時間の欠乏感がひどく、そのくせ優先順位がおかしい。
たとえば、家庭を大切にしたいと思っているのに、奥さんとの時間を犠牲にして本の執筆作業をやっていたり、締め切りに追われて寝不足になり仕事の効率を落としてしまったり、健康に生きたいと思っているのに運動不足になって太ってしまったり・・などなど。
毎日30分走って、そこそこの食生活で生きていれば確実にやせられるにもかかわらず、その30分がもったいないとMacに向かっている。
たとえば、30分Webを見たりTwitterを見るのをやめれば走りに行けるはずだし、どう考えても運動の方が優先度が高い。
もっとBLOGを書きたいと思っているし、書くネタもあるにも拘らずBLOGを書けずにいる。
一本あたりにかかる時間が長いこともあるし、本の執筆に追われているとどうしてもBLOGを書いている場合ではないという気分になってしまう。で
も、1日30分ずつでもBLOGを書いていれば、短い記事ならその日の内に1本、長い記事でも1週間以内に書き上げることができる。
■そもそもそんなにできる訳がない
そもそも、1日は24時間しかない。その内最低12時間は確実に会社で仕事をするために時間を割いているし、忙しい時期になると17時間ぐらいは本職に拘束されてしまう。
そういう状況下で「家族を大事にする」、「BLOGを書く」、「本を書く」、「勉強会の準備をする」、「健康のために運動する」ということを全てこなす事は時間的にも体力的にも相当に難易度が高いことなど少し考えればわかることなのだ。
そういう環境に身を置いてみれば、最初は大変だろうけどいつかは慣れる、いつかは出来るようになるとある時点までは真剣に信じていた。
しかし、現実はそんなに甘くなく、僕は家族との時間を犠牲にして本を書き、BLOGや運動に時間を割くことを恐れてしまう事態に陥って自分のやりたいこととは真反対の事ばかりをやるようになってしまった。
■やってみたからわかったこと
じゃぁ、いろいろなことを詰め込みすぎて首が回らなくなってしまった僕は、無意味な時間を過ごしてしまったかと言えば、そうは思わない。
持ちすぎた、回らなくなったから僕は(少なくとも現時点の)自分の限界を知り、もっと自分の人生に必要な事柄だけに集中すべきであるということを身をもって痛感することになった。
その他にも、本を書いてみて自分のアウトプット能力の貧弱さを知り、外的要因や心理的要因で作業効率が上下するムラの多い人間であることを痛感した。
勉強会やセミナーなどで人前に立ってみて、自分のプレゼン能力が如何に貧弱で、如何に準備に対する意識が甘かったかを痛感した。
この1年間に起こった出来事のおかげで、僕は自分の実力が如何程のものかを身を以て知ることが出来た。
心も体もボロボロになるまで自分で自分を追い詰めた日々も、目を覆いたくなるような失敗も、文字通り経験値として僕の中に刻みこまれている。今だから笑って話せるが、精神的に追い詰められて毎日死ぬことばかり考えてた時期もある。(僕に冗談が通じなかった時期があったとしたら、そういう精神状態だった時だと思う)
だからといって駄目だから止めるつもりもないし、僕はなんて駄目なんだと悲嘆にくれるつもりもない。
止めてしまえば元も子もないし、悲嘆に暮れたところで何も生まれない。そもそも、僕がこのBLOGを始めた原点に立ち返れば、別段今の状況が全く駄目というわけではないのだ。
■自分の原点に立ち戻る
以前「僕が本を書き、BLOGを書いている理由ー全ては挫折からはじまった」という記事で僕がライフハックBLOGを書き始めたルーツについて述べたことがある。
僕がライフハックブログを書こうと決めた2007年時点では、僕は少なくとも今より知識・経験共に圧倒的に不足していた。
先のリンクでもあったとおり、当時の僕は多くの失敗を重ねてはやっと小さな成功の感触をつかみだした頃だった。
このBLOGをはじめた目的は次の二つだ
- インプットの質を高めるためのアウトプットを行う
- 少しでも他の人の役に立てる情報を発信する
このうちの1点目の大前提として「出来ない自分が少しでも出来るようにしたい」ということだ。
デキル人がもっとデキル人になりたいわけではなく、駄目な僕が少しでもまともになりたくて始めたのがこのブログだった・・・と言っても言い過ぎではないと思っている。
そこで重要なキーワードである「素振り」と「応募」を思い出すに至った。
■「素振り」と「応募」
少し古い記事になるが、まだこのブログがコーチングダイアリーという名前のよく分からない日記BLOGだったころ、僕は「素振り」というキーワードで次の様なエントリーを上げていた。
Hacks for Creative Life!: あなたにとっての素振りは?
改めて読むとえらく恥ずかしい文章だが、書いてある内容は今の僕にガツンときた。
僕はこの頃から本を読んだり勉強したりというインプットと、その効果を高めるためのブログというアウトプットを明確に「素振り」として捉えていた。
もう一つ、重要なキーワードとして「応募」というものがある。これまた古い記事だが・・
Hacks for Creative Life!: Blogを書く目的は?
僕がこの記事を書いたときにはHacks for Creative Life!のPV数は今の1/10も無かったのではないかと思う。
まだ一人暮らしをしていた頃だったので、そこそこに忙しく仕事をしていた以外の時間は、今は奥さんとなった彼女と電話するか、ゲームするか、ブログ書くか、プログラムを組むかという生活をしていた。
ブログを書く時間はあったがブログを書いても特に反応が得られる訳でもなかったので、正直楽しいという感覚はあまり無かったと思う。
僕はただひたすらに「ブログを書く」ということがことが「素振り」になって僕の能力を押し上げ、なんらかのチャンスに「応募」することであると信じて書き続けていた。
結果として「素振り」と「応募」は十二分に効果を発揮したと言っても良いと思っている。
BLOGを書き続けた結果、少なくとも1冊の本を仕上げられる程度に知識やノウハウを蓄積し文章力を付けることができた。詰め込み過ぎた感はあったものの、応募した結果から僕は多くの機会と出会いを得ることもできた。
■では僕はどうしたいのか?
僕は今の自体を「力不足で」とか「努力が足らないから」で済ますべきではないと考えている。頑張る努力するという類の言葉でなんとかしようとした結果、上手くいかずに今の状況を生んでしまったのだ。
ここ数年の経験で僕は2つの事実と巡り会うことができた。
- BLOGを書くことによる「素振り」と「応募」は確実に成果を出した
- 何でもかんでも手をだしていった結果、日々の生活がコントロール不能な状態になってしまった
2つめの事実は2つの問題に分類できる
- 色々と手を出しすぎて時間が欠乏してしまっている
- 締め切りを理由に、本来最も優先すべき事をなおざりにしている
事はそんなに難しいわけではないが、とても勇気がいる。
1点目の問題に対して減らすしかない。
一度始めてしまった事柄を止めるにはそれなりの勇気がいるが、自分にとっての最優先事項を守るためにはこれはとても重要な事なのだ。僕にとってフォーカスすべきは、家庭、仕事、健康、そしてBLOGだと思っている。
2点目の問題は難しい。本当に難しい。
仕事もそうだし、執筆もそうだが、締め切りに追われる状態になるとその作業はあらゆるモノに優先されるようになる。 この時に冷静さを失わずに、家庭や健康のことをそれより上の優先度に持って行くのはとても勇気がいることだ。
また、そもそもは1点目の問題を解決して、常に締め切りに追われている状態から脱出しなければ根本的な問題は解決しない。
時間はかかるかもしれないが、失ったコントロールを取り戻すために、まずは今抱えているやるべきことをもっとスリムにしていくことから着手したい。
■みんな悩みながら生きている
最後に・・
本当は、今回の記事のような醜態に近い部分は隠した方が何かと都合が良いかも知れない。でも、僕は残念ながら何でもこなせるスーパーマンではないし、生き方に悩み、日々もがきながら生きているどろくさい人間なのだ。その事実を包み隠して、格好が良いだけの記事を書くことに僕は何の意味もないと思っている。
自分の時間を取り戻すために色々と減らさないとな・・。あれもこれもやろうとするからどれも中途半端になる。自分の身の丈にあった生活を作っていこう。
— 北真也(beck) (@beck1240) 2011年6月7日
こういうツイートを流したところ、多くの方から共感のメッセージを頂くことができた。それぞれ状況は違っても、みんな何らかの悩みや迷いを抱えながら、日々精一杯生きている・・・そう実感することができた。
僕はこれからも泥臭く生きていくだろうし、失敗もたくさん重ねてしまうと思う。
ただ、それだけでは悔しいので、その中で得た経験、失敗を乗り越えるためにした工夫をこのBLOGで発信していきたい。その情報が、本の少しでも日々精一杯生きるみなさんのお役に立てればと願っている。
編集後記
ちょっと暗めの記事ですみません(><)
記事中の通りで、今は完全にコントロールを失っている状態なのでいきなりは難しいかもしれませんが、今後はBLOGの更新頻度というか、発信する情報量を増やしていきたいと思います。これからも宜しくお願いします!
[…] Hacks for Creative Life! »今一度、原点に立ち返るー「素振り」そして「応募」 […]
[…] もう一つは「今一度、原点に立ち返るー「素振り」そして「応募」」で書いたとおり、僕自身はBLOGを書くことが僕の人生に於ける「素振り」であると考えています。インプットした情報 […]
[…] こちらも詳しくは「 今一度、原点に立ち返るー「素振り」そして「応募」」をお読み頂きたいのですが、僕はブログを書くことに対して能力を磨く「素振り」という側面の他に、チャ […]
[…] 今一度、原点に立ち返るー「素振り」そして「応募」 « Hacks for Creative Life! […]
[…] *ただ, 今一度、原点に立ち返るー「素振り」そして「応募」 に書かれているように,御多忙にされていることで,ちょっと最近「空振りが多いんだよな」って思うことが結構ありま […]