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週のはじめに元気がもらえる名言を紹介するコーナー「月曜の名言」。
今回紹介するのは、ご存じ松下電器産業(現パナソニック株式会社)の創業者、松下幸之助さんの名言です。
一方はこれで十分だと考えるが、もう一方はまだ足りないかもしれないと考える。そうしたいわば紙一枚の差が、大きな成果の違いを生む。
名言としてよく紹介されるのはこの箇所ですが、これは「松下幸之助一日一話」などの書籍に収録されている「紙一枚の差」からの抜粋です。
紙一枚の差
社会に対する責任ということを同じように考えてやっていても、その徹し方には差がある。一方はこれで十分だと考えるが、もう一方はまだ足りないかもしれないと考える。そうしたいわば紙一枚の差が、大きな成果の違いを生む。もう十分だと考えると、苦情があっても「ああいうが、うちも十分やっているのだから」ということになってつい反論する。
けれどもまだ足りないと思えば、そうした苦情に対しても敏感に受け入れ、対処していくということになる。そういうことが、商品、技術、販売の上に、さらに経営全般に行なわれれば、年月を重ねるにつれて立派な業績を上げるということになるわけである。
社会人としてはまだまだ未熟な私ですが、仕事に対しては「もう一段アクセルを踏み込む」ことを常に心がけています。
例えば、やっとの思いで作り上げた資料に対し、「これだけ頑張ったから大丈夫だろう」と思ったとしても、「もっと良くできないか?」と一度目を通してみる。他の人が適度に力を抜く一見つまらない仕事に対し、全力で取り組んでみる。プレゼンのリハを重ねて「もう大丈夫」と思える出来でも、もう一度リハをやる。
常々そういう取組ができるわけでもないですし、完璧でない状態で本番を迎えることだって多々ありますが、そういう状況でも自分が「良し」と思ってから、もう一歩先を目指すことで、ちょっとした差が生まれます。
ビジネスというのは残酷で、90点の出来と91点の出来であれば、ほぼ同じ労力を投じていたとしても90点の方が負けてしまいます。他者(他社)との実力が拮抗しているほど、この微妙な差が明暗を分けてしまいます。
限られた時間の中で、限られたパワーを使って成果を出すという条件はさほど違いはないでしょう。自分が努力をしているように、他者(他社)も努力を重ねています。となれば、彼我の明暗を分けるのは、後一歩先を目指す、紙一枚の差でしかないのです。
自分が精一杯頑張った仕事に指摘が入ると「なにくそ」と思う気持ちは無理からぬものと思います。しかし、精一杯頑張った仕事だからこそ、その努力が無駄にならないように、貪欲に指摘と向き合うべきなのです。
松下幸之助さんのこの言葉に出会った時、随分前に「仕事は楽しいかね?」で出会ったジャン=ピエール・ランパルのこの言葉を思い出しました。
努力に努力を重ねて、コンサートである曲を<完璧に>演奏できたとします。そうすると、私はまた努力に努力を重ねて、翌日のコンサートでは<さらに素晴らしい>演奏をするんです。(世界的なフルート奏者ジャン・ピエール・ランパルの言葉 p87)
まだまだ「完璧以上に素晴らしい」状態にはほど遠いですが、せめて自分が「良し」と思うその先を目指し、日々紙一枚を積み重ねながら生きていきたいと思います。
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