See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons
週のはじめに元気がもらえる名言を紹介するコーナー「月曜の名言」。今回紹介するのは、戦後を代表する芸術家、岡本太郎の名言です。
自分に能力がないなんて決めて、引っ込んでしまっては駄目だ。
なければなおいい、今まで世の中で能力とか、
才能なんて思われていたものを越えた、決意の凄みを見せてやる、
というつもりでやればいいんだよ。ー岡本太郎
岡本太郎と言えば「芸術は爆発だ」みたいな感じの破天荒なイメージが強いかも知れませんが、実際には繊細な性格であったと言います。(1970年代のテレビ番組出演や、お笑い芸人のモノマネが「爆発おじさん」イメージを作ったと言われている)
ただ、かなりの反逆児っぷりで、自由を侵害されたり、抑圧されたり、権威を振りかざしたりということには徹底的に反抗していました。また、かなりのプレイボーイであったことも知られ、生涯独身を貫いています。ただし、太郎自身はフェミニストで、女性を見下す態度を取る人を度々叱責していた様です。後に、事実上の妻である、秘書の岡本敏子を養女にします。
1930年〜1940年の間パリに滞在しており、1932年にポール=ローザンベール画廊で出会ったピカソの作品「水差しと果物鉢」を見て強い衝撃を受け「ピカソを超える」ことを目標に掲げ、抽象画に自らの活路を見いだしました。抽象美術運動やシュルレアリスム運動とも交流があり、戦後、花田清輝によって、太郎の芸術思潮は「対極主義」と命名されます。
今日紹介した言葉からは、中学に入った頃から「何のために描くのか」という疑問に苛まれ、パリ渡航後もその疑問に対する答えを得るために民俗学を学び、迷い続けている中に抽象画という道を見つけ、芸術家としての決意を固め、築き上げた独自の芸術観を以て戦後日本の芸術界をリードしてきた岡本太郎の生き様を感じることが出来ます。
能力や才能を言い訳にして何もやらないよりも、その枠すらも越えてやるという決意を以て臨む方が生き様として清々しい。むしろ、そういう決意がなければ、新しいモノは産まれてこないだろうし、その分野の新参者がトップランナーに追いつくなんてことはあり得ないわけです。
能力や才能があるからやるのではなく、強い決意を以て取り組むから、能力や才能が磨かれる。自らの足らざるにひるまず取り組むからこそ、新しい境地を切り拓いて行くことができる。願わくば、挑戦し続ける人生を歩んでいきたいものです。
“131116 Tower of the Sun Expo Commemoration Park Suita Osaka pref Japan01s3” by 663highland – 663highland. Wikipedia.