個人的な見解として、今回のdocomoとsoftbankの新製品発表に於いて、softbankが完全に後塵を拝した領域はスマートフォン市場であったと考えている。今回新たにdocomoが投入したSnapDragon機「T-01A」とAndroidケータイ「HT-03A」はこれまでにないユニークなスマートフォンなのだ。
まず、「T-01A」だがこいつはただのWindowsMboile機ではない。Qualcom社が満を持して投入してきた1Ghzの高速なモバイル端末向けCPU「SnapDragon」を搭載した、超ハイエンド機。
液晶は4.1インチで解像度は800×480というのは、ケータイ電話というよりはデジタルフォトフレームや、W-zero3の様なイメージだろう。画面もデカイが本体もデカイ。どれぐらいデカイかを知りたければCNETのこちらの記事が良いだろう。ネットブラウジングはすごく快適そうだけど・・・。
それから、個人的にイチオシなのがATOK搭載という所。海外製のスマートフォンは得てして日本語変換がお馬鹿なんだけど、ATOKならそんなことはないので安心ですな。
※ちなみに、これまでもWindowsMobileの全体的なデザイン(見た目)の悪さにはユーザは辟易してきたが、今回の機種に関してもそのあたりは望めなさそうである。カスタマイズは必至であろう。
ただ、惜しむらくはこれまでのWindowsMobile機はひたすら「もっさり」していた。WindowsMobile自身が重たいのが悪いと言うよりも、単純にハード性能が足りていない感じ。なので、個人的にはこの「T-01A」は今までのそんなWindowsMobile機への不満を一気に解消してくれるのではないかと密かに期待している。サクサク動くWindowsMobile機・・・素敵すぎる!!
ケータイ業界の人間や、インターネット業界の人間にとっては「遂にきたか!!」というぐらいAndroid携帯というのはセンセーショナルな製品なんだけど、一般の人にとれば、Googleは知ってるけどAndroidってなんじゃそらな感じだろう。
docomoの売り方次第というところなんだろうけど、日本国内でも2,3万円台での発売が見込まれるため、価格に魅力を感じて買う人が結構でてくるかも・・・なんて憶測もなきにしもあらず。
PROシリーズ:Androidケータイ日本上陸 “HTC Magic”がドコモから登場――「HT-03A」 – ITmedia +D モバイル via kwout
デザインが今一(機能美という見方もあるが)でアプリも充実していないiPhoneもど機と取られれば、苦戦は必至だろう。Googleサービスとの連携に関してはiPhoneやWindowsMobile機でもできるからねー。
これはこの機種だけに限った話ではなく、全体的な話としてAndoroidが日本で普及するためには
・Andoroid Marketにより魅力的なアプリが並ぶこと
・多くのベンダ・キャリアからAndroid機が発売されユーザの選択肢が増えること
・Andoroid自身がオープンソースの強みを活かしてもの凄く進化すること
・Andoroidを使うことによってライフスタイルがどう変わるかを訴求すること
の4点が重要になるだろう。残念ながら、今の「HT-03A」はiPhoneと比較されてしまうだろうし、デザイン面でもアプリの豊富さでも、ライフスタイルへの訴求でも勝ち目がないように見える。但し、Andoroidには”オープンソース”と”マルチベンダ・マルチキャリア”と言った特徴があり、ソフトウェア的にもハードウェア的にもこれからどう化けるか楽しみなところではある。
ちなみに、今回取り上げたSnapDragon機「T-01A」とAndroidケータイ「HT-03A」は両方ともハードウェアキーボードを搭載していない代わりに薄い。メールをバリバリ打ちたいユーザにとってはQWERTYキーボードをハードウェアとして搭載していた方がより魅力的だったかもしれないが・・・。この辺の仕様を考えても、docomo的にはsoftbankのiPhone包囲網を形成する腹づもりなのだろうことが予想される。つまり、皆が期待しているdocomoからiPhoneが発売されるという噂は、なんだかただの噂なのかもしれないのだ・・・残念。
何はともあれ、色々とスマートフォンの裾野が広がるのは歓迎すべき事である。この2機種がスマートフォン市場を爆発的に広めるかどうかと言われれば、少し難しいかも知れないが、それでも今までの端末よりかなり魅力的であることは間違いない。ここに7月頃発売されるであろう新型iPhoneが加われば、なかなか白熱してくるのではなかろうかと。これからますます楽しみですな。