今回のBeck’s Hacks RadioはiPad Workersの五藤晴菜さんにゲストにお越し頂き、
- 前半:五藤晴菜さんの日々のiPad活用法
- 後半:iPadを使いこなせていないと思っている方への活用アドバイス
についてお話を伺いました。
本記事では前半パートの「五藤晴菜さんの日々のiPad活用法」について紹介したいと思います。Youtube/Podcastのご視聴頂けますと幸いです。(購読/高評価も頂けますと幸いです!!)
新著「iPadの引き出し」について
五藤晴菜さんはこれまでに数多くのiPad本を出版されていらっしゃるのですが、6月29日に発売された「iPadの引き出し」はこれまでのiPad本にないユニークなアプローチをとられています。
iPad OS標準機能やApple純正アプリで出来る「意外と知られていない便利な使い方」を中心に解説されており、昔からiPhoneやiPadを使っている人の方がむしろ「え、今の純正アプリってそんな機能あんの?」みたいな気付かない間の進化に驚く様な一冊になっているとのこと。(私もRadio収録後ざっと読みましたが知らない内に色々進化していてビックリしました)
iPadの基本的な使い方も書かれていますが、1章からLauncherやScrible、Pencil Kitの話がバンバン出てくるあたり、割とマニア寄りの僕が読んでもニヤリとしてしまう濃度です。これ一冊読めば、今のiPad OSと標準アプリで何ができるようになったかをキャッチアップできるので中上級者が読んでも為になる面白い本です。
また、本の装丁(電子書籍なのでここでは紙面レイアウトの意)が素晴らしく、写真も美しいので、パラパラ眺めているだけでも楽しいですし、何より固定レイアウト本なのにiPad miniで読んでも読みやすいのが素晴らしい。デザインが優れているのでマニアックなネタをマニアックに感じさせない、丁寧に読み手のことを考えて作られた本だと思いました。
はるなさんのiPad×2とMacの使い分け
はるなさんはiPad mini6とiPad Pro12.9インチモデルを使い分けられているとのこと。また、Mac miniも使われていると言うことでざっくりした使い分けは以下の様な形。
- 仕事場に置きっぱなしのiPad Pro12.9インチ
- Magic Keyboardに着けた状態でパソコンスタンドの上にのせ、Mac miniのモニターと並べて使用
- 二つのiPadでApple Pencilを共有して使用
- 家の中でどこにでも持ち歩くiPad mini6
- 風呂蓋式のケースにいれて使用
- ちょっとしたメモ書きはiPad mini6
- 文章を仕上げるMac mini
はるなさんの現在のお仕事はiPad Workers(Podcast/Newsletter)と本の執筆であり、これらの端末を使い分けて以下の様な流れで仕事をされているとのこと。
- 文章を書いたり、喋る内容を考える時はiPad上で無限キャンバス系のアプリ(フリーボードやProdrafts)やAppleの標準のメモアプリ上に手書きで書きたい事をばーっと書き出すその後手書きメモを見ながらテキストに打ち直す
- 文章作成はiPad上で「フリック入力」と「音声入力」で行い、最後の仕上げをMac miniで行う
元々文房具が好きでA5ノートを常に家の中で持ち歩いていたのがiPad mini6に置き換わったというのは、自分も同じようにA5ノート→iPad mini6にアイデアノートを移行した経験と重なってとてもシンパシーを感じました。
はるなさんのデジタルノート術
「iPadは書いた瞬間に全てデジタルノートになっている」という言葉にはハッとさせられるものがありました。僕自身、以前はメモを写真に撮ってEvernoteに送ったり、紙に書いたモノをどうやってデジタルノートに取り込むのかに頭を悩ましていた時期があったのですが、そういえばiPadになってからそういう悩みは無くなっていました。
やはり、書いて手書き文字が検索対象になるというのが大きくて、GoodNotes5やApple標準メモなんかは相当乱雑に書いた文字でもテキストとして認識してくれ、それが検索に引っかかってくれるので、手書き文字をOCRしてテキストに起こす・・みたいなこともやらなくてよくなったのは本当に革命的だと思います。
また、デジタルノートは殆ど全てのアプリがiCloud等で同期できるようになっており、はるなさんの場合は2台のiPadとMacでノートがシームレスに同期され、どの端末からでも閲覧・編集ができる様になったのは、紙では絶対に出来ない便利ポイントです。
はるなさんのデジタルノートツールの使い分けは
- フォーマットが決まっていて、あとから検索したい情報はGoodNotes5
- その日使ったお金や行った場所をWeeklyのカレンダー上に記録
- 考えをまとめる、書きながら考える場合のノートは後から検索をしないので書き心地や使い勝手重視で無限キャンバスアプリ(フリーボードやProdrafts)やAppleの標準のメモアプリを使用
- ProdraftsはPencil Kitに対応しており書き味の良いえんぴつツールが使えるので、えんぴつツールが使いたいときはProdrafts、そうじゃない時はフリーボードという使い分け
最低限「iPadの中に入っていてそこをさがせばいい」状態を作り出しておき、ケースバイケースで適切なアプリを使いわけているとのことで、この辺は自分も色々なノートツールを使い分けているので通ずるものを感じました。
自分はGood Notes5をアイデア帳という名の書き殴りノートとして使っていたのですが、検索等は全く必要が無かったので、Prodraftsとフリーボードを試してみて、良さげならアイデア書き殴りはそっちでやっていこうと思います。
はるなさんのデジタル手帳術
もうひとつはるなさんが使われているプランナー手帳アプリの「AJournal」についても非常に興味深いお話を伺うことが出来ました。
AJournal
- 日記的な遊び要素が強い使い方で写真を貼り付けて、そこに鉛筆ツールで手書きのイラストを描き加えたりする
- タスク管理みたいなことは特にやっていない
- カレンダーと同期できるので、どういう予定が入っている確認をしたり、やったことの記録なんかを手書きで書き込んだりしている
- イベントは全部カレンダーと同期しているので予定の変更等もすぐに反映されてGood
- 行った場所や使ったお金の情報なんかは手帳には書き込まない
- デイリーノート的に、取り敢えず考えた事なんかを書いておく場所としても利用
- ノートのサムネイル表示画面では自動的に日付毎にグルーピング化されるので、日付を遡って情報を見つけやすく、書いていない日は自動的に飛ばされるのもGood
これは紙の手帳あるあるなんですが、1日1ページの手帳を使うと、1ページに収まらないときにどうするかという問題があり、かといって日付のないノートを使って日付を後から書き足して使うと、未来の日付が無くなるので予定や申し送りを事前に書いておくことができないという問題があります。
僕もGoodNotesを手帳的に使っていた時代があるのですが、これは結局日付をブランクの1日1ページのリフィルを差し込んであとから日付を手書きで書き込む運用でした。AJournalの様に日付毎に自動でグルーピング化もされませんし、未来への申し送り事項みたいなモノを書き込むことも出来ません。また、カレンダーから予定を取り込むことも出来ませんでした。
AJournalはかなり理想型のデジタル手帳だな、という印象があり、僕も早速使い始めてみました。上手く運用が軌道に乗れば、ブログでまた紹介したいと思います。
デジタルノートを使い分ける意義
はるなさんは様々なノートツールを使い分けていますが、その理由として「情報を探すときに余計なノートがない方がよい」という点を挙げられていました。
例えばGood Notesに全てを集約してしまうと、行った場所やお金についての情報を知りたいにもかかわらず、それ以外のデータによって検索が重たくなったり、検索結果にノイズが混じる可能性があります。
それぞれのノートの特性や強みに併せて使い分けていき、使い分けているがために情報の検索性も向上するというはるなさんがおっしゃられていることに、僕も100%同意です。(使っているツールや目的は少し違えど)
さいごに
いやー、本当はこのノートツール/手帳ツールのトピックについてはもっと掘り下げても良かったなと思っています。やはりiPadをメチャメチャ使い込んでいる方の話だけあって、頷きすぎて首がもげるかと思ったほどです。
僕自身のiPad miniのノートフォーメーションもこの対談のおかげで改善できそうなので、本当にお話を伺って良かったと思いました。また、僕のiPadノート術的な奴は別の記事で紹介したいと思います。
Youtube/Podcastのご視聴も何卒お願い申し上げます!
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