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【雑記】仲間と語らふ時間、帰る場所

friends

ここ最近、家に帰れない日があったり、土日もあまり休めない状況が続いており、体力的にも精神的にも少し参りかけていた。

毎年会社の若手社員十数名で越後湯沢の辺りへスノーボードに行くのだけど、今年は案の定仕事が入ってしまい直前でキャンセルする羽目になってしまった。このボード旅行において僕は「料理長」という称号が与えられており、十数名分の料理を数名の後輩達と共に作ることが通例となっていた。

恐らく、普通の精神状態じゃ無かったのだろう。
キャンセルを伝えた際に

「北くん、飲みだけでもおいでよ!」
「19時までに来れば料理作れるよ!」

などの熱い(?)エールを頂き、土曜日は早めに切り上げられ、日曜日は遅出で大丈夫そうだったこともあり

  • 土曜日の夜18時に会社を出る
  • 新幹線に乗り湯沢に20時着
  • 一晩飲んで騒いで
  • 日曜日12時頃に湯沢を出る
  • 14時に再び出社する

というアクロバティックな土日を過ごすことに決めた。

○○○

20時過ぎ、越後湯沢の駅に降り立ち、迎えの車を待った。

19時に到着して料理を作るという訳にはいかなかったが、乾杯にはなんと間に合ったというか、僕がくるまで待っていてくれたらしい。到着してすぐ厨房に入ると、既にできあがっていた鍋が2つと、まだ調理されていない挽肉が置いてあった。

「ベックの為に最後の仕上げ残しといたよ。」

同期の優しさが心にしみた。

ほとんど料理は出来なかったけど、今年も無事にこの厨房に立てたことが妙に嬉しかった。仕上げの肉味噌を坦々鍋の上にのせる頃、皆の乾杯の準備が整った。

先輩の無茶ぶりで乾杯の音頭を取らされた僕は、その時の素直な言葉を口にした

「今年もまた、ここに皆と帰って来れて嬉しいです。今夜も目一杯騒ぎましょう。乾杯。」

○○○

ここ最近、強いストレスに晒され続けていた。
自分でもそろそろヤバイかもしれんという危機感があった。
楽しみにしていたボードにもいけなくなってしまい凹んでいた。

冷静に考えれば飲みだけの為に越後湯沢の往復新幹線代を払うのも勿体ないし、おとなしく家に帰ってゆっくり寝た方が貯まった疲れが取れるだろうということも頭では理解している。

それでも、今の自分にとって、いつもの仲間でワイワイ騒ぐ時間の方がゆっくり休むことの何倍も大事な事に思えた。別に何のことはない、ごく普通の馬鹿話をして、訳の分からないことで腹の底から笑いたかった。

宿に到着した時、「おー、北くん!」とか「北さん、お疲れ様です!」と口々に名前を呼んで僕を暖かく迎え入れてくれる仲間がいて、そんな彼ら彼女らとただ楽しく酒を酌み交わす。そんな時間がただただ有り難かった。

仲間と語らう時間のかけがえのなさと、帰る場所があるという安心感に気づけたことだけでも、ここ最近のストレスフルな毎日と今回のアクロバティックな土日の意味があったかなとも思う。

○○○

いつも通り、皆より少し早く起きてコーヒーを飲みながら朝ご飯を用意した。

ただひたすらフレンチトーストとチーズトーストを焼き続け、残った食材を使ってちょっとした料理を作るぐらいのものだけど、人数が多いのと9時には厨房を片付け終える必要があるので、これがなかなかにヘビーな時間との闘いとなる。

そんなプチ戦場を乗り越えて、皆がスキー場へと旅立つ姿を見送って後、吹雪の中越後湯沢駅へと向かった。
これから15連勤目だというのに、気分はなんだか晴れ晴れとしていた。