去る4/14、佐々木正悟さん・淺田義和さんの共著「ストレスフリーで効率アップ! EVERNOTEを便利に使う48の技」と拙著「できるポケット スマートフォンでEvernoteを使いこなす本」の共同出版イベント「Evernoteとうまくつきあうコツ」を開催致しました。
・佐々木さん、淺田さん、北がそれぞれ30分ずつ位プレゼン
・三人で45分程度鼎談+会場からの質疑
のみっちり3時間。
しかしながら、3時間ご参加頂いた皆様に楽しんでいただくというのは中々に難しいわけです。最初はドキドキしながらやっていましたが、最終的には会場もそれなりに盛り上がりつつ、本質的な議論も飛びかっていたので、個人的には楽しい時間だったなと思っています。
また、僕個人としても久しぶりに大勢の方の前で喋ったのでかなり緊張していたのですが、話し出してみると割と早い段階で以前の感覚が戻ってきたので、最後まで一気に駆け抜けることができました。ただし、情報を詰め込みすぎた感があったので、もう少しトピックを絞ればよかったなぁ・・という反省もあり。
ま、そんな僕の所感はさておき、参加頂いた方の振り返りであったり、当日都合が合わず参加出来なかった方への情報共有の意味もこめてスライド資料のシェアと、お話しした内容の簡単なまとめを記しておきます。(流石にプレゼンを直にみた情報伝達量には及ばないと思いますが、それは当日会場にお越し頂いた方の特典ということで。)
■プレゼン資料
■Evernote以前、Evernote以後
今回のプレゼンの出だしは、これまでの情報管理の変遷の中で、如何にEvernoteとの出会いが衝撃だったかについてお話しさせて頂きました。やはり、何よりもEvernoteという情報の集積地を得たことで、情報の散逸という長らくの課題に終止符を打てたことが 大きかったです。
自分が社会人になったばかりの頃はまだクラウドもスマホもありませんでしたし、情報管理はもっぱら紙の手帳とノートでした。今も会社の都合でEvernoteをはじめとしたクラウドサービスが使えないため、紙の手帳とノートを併用しているものの、情報管理の大部分(予定とタスク、主にプライベートの情報管理)がクラウドサービス中心に置き換わりました。
僕が元々フランクリン・プランナーユーザだったということもあるのですが、情報管理には「ワークフロー」がとても重要であると考えています。ワークフローというのは格闘技でいうところの型であり、これを意識して繰り返すことで無意識下で情報管理が行える様になるわけです。
ワークフローを構築するときには次の2つの決め事を作っておくと良いでしょう。
・情報の居場所を決める
・ いつ何をやるかを決める
情報の居場所というのは、要するに予定はGoogleカレンダー、タスクはToodledo、その他の情報全般がEvernoteといった具合の大きな整理から、Evernote内でどういったノートブック分けを行うかなどの小さな整理まで、まずはどこにどんな情報を整理するのかを決めておくということです。
いつ何をやるかを決めるというのは、周到にその一週間の計画を立てたり、毎朝その日の予定とタスクを書き出したり、週末に週次レビューをやったりという、情報管理のためのアクションを予め予定に組み込んでおくと言うことです。
例えば、僕が計画や週次レビューに掛ける時間は以下の通りです。
・週間計画:30分
・日次計画:10分
・日次レビュー:10分〜20分
・ 週次レビュー:1時間〜3時間(忙しかったらサボることも)
管理のための管理工数が掛かりすぎと思われるかも知れません。しかし、やるべき事が全て書き出されていて、(割り込みはあるものの)今後の1週間の見通しが立っていることで得られる「不安の軽減」や「作業効率の向上」などのメリットは投資した時間に十二分に見合う価値があります。(感覚的ですが、投資した時間に対して200%程度はリターンしています)
■プライベートと会社
Evernoteは会社では使えないので、メモは基本的に全て手帳に残し、会社の仕事用にノートを一冊用意しています。基本的に会社の情報を持ち出すことが禁止されているので、Evernoteに会社の情報は一切入れていません。
■Evernoteで目標管理
僕はフランクリン・プランナーを使っていたこともあって目標から行動へ落とし込むための仕組みを構築しています。ほぼ日カズンをメインの手帳として用いるようになってから、フランクリンプランナーの目標リフィルに変わる存在が必要となったため、いつでもどこでも閲覧・編集ができるEvernoteにこの役割を担って貰っています。
少しマニアックな話をすると、GTDでいうところのタスク/プロジェクトまでのパースペクティブはToodledoで管理、それ以上のパースペクティブについてはEvernoteで管理というクラウドツール間での使い分けもあります。
■Evernoteに入れている情報
ノートブック派の僕は50を越えるノートブックで情報を整理しています。
しかし、実際には個人/ブロガー/イベント運営/ビジネスパーソン/プライベートの開発などなど、自分の持つペルソナ事にノートブックスタックを分けていて、その中で使用中(Active)、使用済み(Archive)、成果物(output)に分けているに過ぎません。
少し特殊なのは、ブロガー/著者としてのノートブックスタックです。書籍を書くときなどは■を頭に付けてプロジェクトノートブックを作成しますし、記事のネタは①ネタをストックしておくノートブックと②アイデアを実際に記事として書き出すノートブックの2段階で分けて管理しています。
その他、自分の中で良いなと思っているのが、兎に角ジャンル問わず考えていたことをセーブしておく「考え中」ノートブックであったり、余裕がないときに後で整理すりゃいいやという情報を取り敢えず置いておく「お取り置き」ノートブックです。Evernoteと肩肘張らずに気楽につきあうためにはこういった緩いルールも用意しておいた方が良いと思うわけです。
■Evernoteとつきあうコツ
ということで、ちょっとしたアドバイスも織り交ぜつつ、これまでの内容をまとめていきます。
まず、Evernoteは情報管理ツールですから、何を管理したいかを決めないと何も始まりません。また、非常に自由度の高いツールですから、「どこに整理するか」と「いつ何をやるか」の2点はしっかり決めておいた方が良いでしょう。
次に、取り敢えずルールを決めたらそれを実行してみることです。取り込んでみたモノの、別に無くても良いなと思う情報もあるでしょうし、運用のルールがどう考えても無理があるという場合もありますから、トライ&エラーで使い方を自分なりにブラッシュアップしていくと良いでしょう。続けられずに挫折するよりも、適度にサボりながら続けるぐらいで丁度良いです。
また、Evernoteの使い方に正解はありませんし、誰だって最初から上手く情報が捌けるわけではないのです。他の人の様に上手く使いこなせないなんて悩む必要はまったくないので、できることからはじめて、ちょっとずつ出来ることを増やしていきましょう。上手く整理ができなくても、取り敢えず情報を残してさえいれば、その内テクノロジーの進歩で良い具合に情報を引き出せるようになるかもしれないですしね。
最後に、Evernoteを第2の脳として機能させるコツについて。不思議なことなのですが、Evernoteの情報を整理することで自分の頭の中も同時に整理されていきます。取り敢えず情報をEvernoteに突っ込んでみて自分なりに整理してみることで、自分の中のモヤモヤが解消されたり、新たな発見を得ることができます。
他にも、感情と共に記憶が想起される「エピソード記憶」に関するメタ情報を意識的にEvernoteに組み込んでおくことで、「忘れがたき思い出」とその時の感情をいつでも思い起こすことができるようになります。Evernoteに人生を刻み込んでいきましょう。
■おまけ
今回、佐々木さんの講演を聞いていて凄くしっくり来たのが「20130414Evernote本イベント」みたいなプロジェクトタグをノートに付与する方法論の利点についてです。
そのプロジェクトに関連するノートを芋づる式に引き上げられるとか、その情報が複数プロジェクトにまたがっても大丈夫という利点は勿論ですが、タグが時系列に並ぶからインデックスとして利用できる点は目から鱗でした。
また、複数プロジェクトからそのノートが使われた場合、その都度タグ付けを行う事で、思いもよらない組み合わせが見えてくることもあるというお話は実に興味深かったです。
日付+プロジェクト名タグ、ちょっと試してみようっと♪
■おまけその2
当日のイベント関連のつぶやきをまとめています。@fujimottaさんの実況がかなりナイス!