昨年5月と少し前の話になってしまいますが、四万温泉積善館に宿泊をしました。
千と千尋の神隠しのモデルの一つとも言われるそのたたずまいは将に圧巻。普通に館内を巡るだけでとても楽しい宿だったので写真と共に紹介していきたいと思います。
下記にブログに掲載しきれなかった四万温泉積善館や四万温泉のFlickrアルバムを掲載しておくので見て貰えたらメッチャ嬉しいです。
歴史深い宿「積善館」
1694年(元禄7年)開業の積善館は時の文人や政治家が訪れる歴史有る温泉宿です。(岸信介元総理や中曽根康弘元総理など)
積善館は「千と千尋の神隠し」の湯屋「油屋」のイメージモデルの一つとしても有名です。
大正ロマン溢れる元禄の湯が有名で、将に湯治場という趣。
度重なる増築で建物はまるで迷路の様であり、本館や山荘が醸し出す古い木造建築の趣と相まってどこか異世界に足を踏み入れたような錯覚を覚えます。
日常を離れ、異世界へのトリップを愉しみたい方には「積善館」はうってつけの場所ではないかと思います。
フォトジェニック過ぎる宿「積善館」
積善館の館内を見て感じたのは「フォーマット化されていない」ということ。それは歴史の積み重ねの中でその時々の最善を取り入れてきたからこそ。
本館や元禄の湯が醸し出す元禄から続く歴史と大正ロマンも一つの形であり、
そこに働き、留まる誰よりも古い木造建築は、きしむ床すら一つの味としてしまいます。
かと思えば急にモダンな待合室が現れ
そこからの眺めがこれまた良い。
異世界へ繋がりそうなトンネルを抜けた先にはまた別世界が広がります。
三層には本館とはまた違う趣があり、
昭和の香りを感じるラウンジも良い感じでした。
長い通路を抜けるとまた別世界へ。
我々が泊まったのは最も新しくモダンなデザインの「佳松亭」。
フロント付近は今時のデザインであり、言葉を選ばなければ「どこかで見たことがある」フォーマットです。
しかし、ひとたび本館に目を移せば、同じ積善館とは思えないフロントがそこにあります。
積善館と外を繋ぐ赤い橋と本館は昼と夜で異なった趣を感じることが出来ます。
今にも千と千尋のキャラクターが飛び出してきそうな夜の様相はまた一段とフォトジェニックです。
昼に見せる顔はどこか寂しげですが
夜になると途端に活気が溢れます。
何をどう切り取っても画になりますが
建物の外観だけがフォトジェニックという訳ではない事もどうかお忘れ無く。
色々な顔を持っているのも「積善館」の魅力です。
どうか、くまなく探索を続けてみてください。
私はすっかり、この迷宮のコロコロと変わる表情の虜になってしまいました。
ハイレベルな宿としての「積善館」
今回我々が泊まった部屋は標準客室です。親子三人で6万9000円ぐらいだったので、大人一人26000円、子供13000円と言ったところでしょうか。標準客室とはいえ、部屋は十分すぎる広さ(12.5畳)でした。
2畳ほどの広縁から見える松林がこれまた凄く良い。まさに佳松亭の何ふさわしい眺めです。
荷物を置いておくスペースもあり、広々と部屋を使うことが出来ました。
館内着、アメニティ、タオルは完備。
お茶菓子はあっという間に子供に平らげられてしまいました。
部屋の前の廊下からの眺めも大変よかったです。
部屋食も大変美味しくて、
海の物から山の物まで多様な会席料理を堪能することが出来ました。
地ビールの積善館ビールも中々美味でした。
2種類の貸し切り風呂、2種類の大浴場
四万温泉積善館というくらいなので、温泉も大きな売りの一つです。
先に紹介した元禄の湯は大正レトロ溢れる湯治場然とした趣のあるお風呂ですが、
佳松亭にある社の湯もまた素晴らしい温泉でした。
そのほかに無料貸し切りの「山荘の湯」、
有料貸し切りの「積・善」もあるのですが、今回の私と妻の目的が「元禄の湯」であったことから特に貸し切り風呂は予約せずでした。
泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩温泉で、入れば美肌保湿効果、飲泉も可能で飲めば胃腸を活発化したり便器に効果があるとのことです。
泉質 | ナトリウム・カルシウム 塩化物硫酸塩温泉 |
浴用適応症 | リウマチ性疾患、運動器障害、創傷、慢性疾患及び⾓化症、虚弱児童、女性性器、慢性炎症、卵巣機能不全症、⼦宮発育不全症及び月経異常、更年期障害など |
飲用適応症 | 慢性消化器疾患、慢性便秘、慢性肝胆道疾患、じん⿇疹、肥満症など |
四万温泉は昭和29年に国民保養温泉地の第一号に選ばれているとのことで、泉質/環境面で優れた湯治場であることが早くから知られていたことが分かります。
※上記お風呂の写真のみ積善館のWebページのフォトギャラリー(転載可能)の写真を使わせて戴いております
四万ブルーも併せてどうぞ
四万温泉からほど近い場所にある「四万湖」は四万ブルーと言われる美しい青色の湖面が特徴の人工湖です。
透明度が高く、鉱物が混じった湖水が作り出す神秘的な四万ブルーは一見の価値ありです。
四季折々の木々や花々との共演もまた素晴らしいので、桜や紅葉の季節に行くとより楽しめるんじゃないかと思います。
さいごに
ということで、今回は四万温泉積善館について紹介しました。都心からほど近く、通り道には伊香保温泉や榛名山もあり、また少し足を伸ばせば草津温泉も小一時間ほどの距離です。うちの家族旅行では、伊香保(日帰り温泉)→四万温泉積善館(泊まり)→草津(日帰り)→帰宅というルート設計でした。
増改築を繰り返しながら、その時々の様式を取り入れた結果生まれた一種のカオスが、迷宮の中で異世界を巡るような感覚を与えてくれる2つとない宿ではないかと思います。
フォトジェニックな場所でもあるので、カメラでもスマホでも写真を撮るのが好きな人にはとても面白い場所ではないかと思います。僕も写真を撮りまくって全部は載せられなかったので、是非Flickrのアルバムを見て戴けると嬉しいです。
今回紹介した宿
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