これまた前回からえらく間が空いてしまいましたが「若葉ブロガーさんへの手紙」シリーズの最終回です。最後は私自身の情報発信に関する思想信条のお話でいきたいと思います。
若葉ブロガーさんへの手紙シリーズ
其の1−「毎日更新すべき」は本当か?
其の2− 「なぜ書くのか?」と「何を書くのか?」
其の3− あなたの「言葉」と「声」を聞かせて欲しい←イマココ
■前回のおさらい
前回の記事で
自分の「声」が入るならネタかぶりも気にしない
ということを書きました。その理由は次の通りです。
人はそれぞれ異なった人生を歩んできて、多様な知識の習得、多様な経験をしているわけですから、どんな情報であっても、自分というフィルターを通すことで必ず違ったアウトプットが生まれてくるはず
今回はネタかぶりを気にしない条件としてあげた『自分の「声」』と、そのアウトプットたる『自分の「言葉」』について詳しく見ていきたいと思います。
■「内なる声」に耳を傾けながら言葉を紡ぎ出す
ブログを書くことは「内なる声に耳を傾けながら言葉を紡ぎ出す行為」というのが僕なりの定義です。
「内なる声」というと何だか怪しく聞こえるかも知れませんが、要するにそれを明確に「伝えたい!!」という想いの熱さみたいなものです。何か胸の中でモヤモヤしている事柄について、どうしても形にしたい、それを誰かに伝えないといけない気がする・・そういう不確かながら確かにそこに存在する何かです。
その声の大きさには大小様々ありますが、時折「僕はあなたにどうしてもこのことを伝えたい、だから僕の話を聞いてくれ!!」と大声で叫んでいることもあります。逆に内なる声がぴたりとなりを潜めた時は、驚く程に筆が進まない。
もう少しスタンス寄りの話をすると「ブログに己の魂を込めているか?」ということです。そりゃ毎回毎回全身全霊というわけではないですが、それでも何かしら自分の中に軸があって、その軸からブレない様にしているし、ブログを書くということについて信念の様な物をもって書いているわけです。
例えば、僕がBLOGを書くのは概ね次の様な想いからです。
- 周囲の人達が笑顔でいられるためにライフハックという武器を広めたい
- 日々汗を流して働く仲間を元気づけられるようなエールを送りたい
- 自分が得た知識や体験から他の人のヒントになるようなことがあれば共有したい
- 情報を発信することの意義を伝え、世の中を少しでも良い方向へと動かしたい
- 僕自身もアウトプットを出すことで能力を高めたい
いわゆる信念の部分さえしっかりしていれば、2chやはてなブックマークのコメントで「ライフハック(笑)」とか「手段と目的が逆転している」と書かれたとしてもさほど気にはならないわけです。僕はライフハックの有用性を身をもって知っているわけですし、大事な事はそれを必要としている人にリーチさせて、できる限りその人の役に立つ様に提供することなのです。
僕自身、「内なる声」が一体何者なのか未だによくはわかっていません。「これは便利だからシェアしておこう」といった軽いノリから、時には「ゴゴゴゴゴ」と突き上げてくる「伝えたい!!」という衝動まで、大小様々な「内なる声」に耳を傾けながら今日もBLOGを更新しています。
これまでそれなりの数のブログ記事を読んできましたが、この「声」がはっきりしているブログは読んでいてとても面白いと感じます。書いた人がツカツカと僕の近くまで寄ってきて「俺の話を聞いてくれ!」と熱くまくし立てているような感じを受ける記事に出会うと思わずニヤリとしてしまいます。
■「自分の言葉」で語るということ
情報発信に於いて最も重要な事は「自分の言葉」で語ることだというのが僕のモットーです。
勿論、情報の正確性や、ソースの開示など最低源守るべき事柄は守った上でのプレゼンテーションの話としてではありますが、ただ「他人の言葉」を機械的に「横流し」するよりも、その人の理解した内容が、その人の持っている言葉で表現されている方が何百倍も面白い。
前回も書いたとおり、複数人の人が同じ事柄を同時に見たとしても、その人が持っている知識や、これまでの経験でその理解と表現は多少なりとも変化していきます。また、同じ人であったとしてもその時々の状況や興味で物事の見え方というのは変わってくるものです。
「自分の言葉」とは則ち、自分の知識と経験を駆使して理解した事柄について、自分の持ちうる語彙を総動員して表現することです。更に先ほどの「内なる声」の信念やら「伝えたい!!」という想いが入ってくれば、もはや他のブログとのネタかぶりなんてミジンコほども気にならなくなるわけです。
ただ、一点注意が必要なのは、知識や考え方、語彙などは基本的には他人から獲得するということです。 如何に「自分の言葉」と言っても、基本的には他人の思想や既に存在する言葉を借りて表現される物だという事です。真にオリジナルな部分と言えば経験と、これらの化学反応の結果生み出される自分なりの理解の部分です。
それとなく数式化するとこんな感じですね。
- 知識×考え方×経験 = 自分なりの理解
- 理解×語彙 = 自分の言葉
知識や考え方、語彙が借り物で経験がオリジナルだからどっちがエライということではなく、知識や考え方、語彙を獲得するために学習や読書という研鑽を積むことも、自分の世界感を広げたり人間性を深めるための経験を積極的に選択することも、「自分の言葉」の形成には欠かせないということなのです。
■誰のためにブログを書くのか?
ブログを書かれている方の中には「 他の人の役に立つ情報を発信したい」とお考えの方も多いと思います。この場合、発信する情報は言わずもがな「他の人」の為に書かれているはずです。
勿論、自分の為に書くのもありだと思います。僕もブログでアウトプットし続けることを「素振り」として、自らの能力を研鑽するという目的でブログを書いている側面がありますし、ブログを書くことで自分の夢に対して「応募」し続けているという側面もあります。
ただ、これはあくまで個人的な思想ですが、ブログはあくまで「他の人」の為、則ち「利他の精神」で書くべきであると考えています。つまり、「自分は他の人に何を提供できるか?」を何よりも最優先して考えて欲しいということです。
別にセルフブランディングを忘れろとか、PVやら広告収入の額なんて気にするなとか言いたいわけではありませんが、それをトップ プライオリティに据えた瞬間、ブログがビジネスになってしまい、自己の利益を最優先する「利己」になってしまいます。
もしも、あなたが「 他の人の役に立つ情報を発信したい」と考えているのであれば、まずは第一義に「自分は他の人に何を提供できるか?」を考え、突き詰めて頂ければと思います。ここでそんなことを言われるまでもなくやっているよ、という方が大多数だと思いますが、改めてご自身の最優先事項を振り返って頂く機会として頂ければ幸いです。
■最後に
前回書いた記事「若葉ブロガーさんへの手紙其の2−「なぜ書くのか?」と「何を書くのか?」」に対して新進気鋭のブロガー@3_waさんが熱いリプライ記事の数々を書いて下さいました。
【問】すでに素晴らしい書評があっても貴方が書評を書く理由は?( @beck1240 さんからの指摘 ) | みんなの扉を開くカギ
書評を書きたくてウズウズしている@3_waです。 しかしながら、ウェブ上にはすでに素晴らしい書評が沢山あり、「私が書く理由なんてないのでは?」と思い込んでしまいます。 それでも、やっぱり書評を書こ …
自分の記事がブレークスルーにつながったのであればこれに勝る喜びはないです。
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更にはこんな記事まで
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ブログのアクセス数、伸びていますか? このブログ「みんなの扉を開くカギ」は先月はじめて月間15万PVを突破しました。多くの方に見て頂いたことは本当に嬉しいです。 …
ブログ30選の90記事という物量はすごい。。
カリスマでもアルファでもない僕のブログ論を聞きたい人などいるのだろうかと思いつつも、こうやって「続きを楽しみにしています」と直球で言われるのはとても嬉しい出来事でした。また、反応を得られたことで、僕自身もブログでの情報発信について考え直す良い機会となりました。有り難う御座いました。