febeの本棚にプレミアム特典も含めて450冊ぐらいオーディオブックがある僕は、結構なヘビーユーザの部類に入るのだろう。もう、オーディオブック無しの生活なんて考えられない位にどっぷり浸かっている。
そんなオーディオブック・ジャンキーの僕が最も衝撃を受けたニュースの一つが、「月1500円でオーディオブック聴き放題」をひっさげて日本上陸を果たした米オーディオブックの雄「Audible」の登場。
1ヶ月と少し、Audibleを試して色々見えてきたので、主に使用しているFebeとの比較と今後のオーディオブックライフについて考察してみたいと思う。
■米国Audibleとの棲み分け
実は、Audible自体は洋書のオーディオブックを聴きたくて米国側のサービスに加入していた。KindleのWispersync for Voiceを使いたかったというのもある。(詳しくは以下の記事を参照)
米国側は毎月2冊分のクレジットが貰えて、3冊以上はオーディオブック毎に定められた金額を支払う買い切りモデルなので、まさか定額聴き放題で日本にやってくるとは夢にも思わなかった。全然違うサービスやんってね。
ちなみに、iPhoneアプリは米国と日本のサービスで共通だったりするので、日本のアカウントでログインすると米国の方のオーディオブックは聴けなくなってしまう。アプリ分けといてくれよ・・と言うのが正直な感想。
しかも、アカウント切り替えると「ダウンロードし直し」&「聴いた履歴が消える」という仕様。むむー、両方のサービスを使いたい人にとっては厳しい仕様。
Kindleだとアカウント統合という手段が用意されてたりするし・・取り敢えず、将来の改善に期待。というか、改善の要望をあげておこう。
ちなみに、オーディオブックに月1500円は高いと感じるかも知れないけど、僕はfebeに軽く20万以上支払っているので、Audibleだと10年以上聴けてしまう計算。使い方次第ではメチャクチャお得かも知れないと期待は膨らむばかり。
■ということで、ちょっとfebeと比較してみよう
febeとAudibleのサービスを比較してみると、ざっと次の様になる。
双方のサイト上に掲載されている数値を信用するなら、febeは13000冊以上のオーディオブックがあるのに対して、Audibleは10000程度。(2016年1月9日時点)
コンテンツ量としては互角っぽく見えるんだけど、Audibleのサイト上で検索するとヒットする件数は6000冊強なので、ちょっと多めの数値を出してるっぽい。また、「要約版」という名の書籍概要的説明も多いので、あまりこの10000冊は鵜呑みにしない方が良いだろう。
単純なコストパフォーマンス比較で言えば、月に2冊以上のオーディオブックを聴くならAudibleが優勢だけど、中長期的に何度もオーディオブックを聴き直したい、みたいな使い方をする人はFebeの買い切りモデルの方が安く付くかもしれない。
もう少し、コンテンツの中身やサービス利用形態について詳しく見ていってみよう。
■コンテンツの種類・質について
実の所、「僕が聴きたいオーディオブック」に関して言えば、圧倒的にFebeの方が品揃えが良い。(僕のお気に入りのオーディオブックは次の記事を参照)
2015年に読んだ本ベスト10+オーディオブック・セレクション7 | Hacks for Creative Life! – ライフハックで明日をちょっぴりクリエイティブに –
200冊以上聴いてきた僕が「オーディオブックBEST20」をお奨めするよ! | Hacks for Creative Life! – ライフハックで明日をちょっぴりクリエイティブに –
febeが長年日本の出版社と信頼関係を築き、ベストセラーやロングセラーの版権を獲得する努力を重ねてきた結果、ラインナップも充実し、新刊をオーディオブック化するペースも速くなっている。
Audibleには「7つの習慣」や「仕事はたのしいかね?」といったロングセラーはラインナップされていないし、そもそも「人文・思想」や「ビジネス・経済」、「ノンフィクション」系のオーディオブックはかなり少ない。
食指が動いたオーディオブックについてはかなりの確率で要約版だったりして、ちょっとがっくりくる。(佐々木正悟さんの本は4冊ともフルで聴けたのでそこはGood!)
ただ、Audibleの面白い所は、febeやでじじ、ことのは出版と言った様々なコンテンツプロバイダからオーディオブックを調達しているところ。目を見張るべきは、文学書や古典、落語の類だろう。
「風姿花伝」や「方丈記」はfebeでは聴けないし、漱石や太宰といった日本の「近代文学」も充実している。古典はもちろん、明治・大正の文学を書籍で読むというのは結構骨が折れるが、オーディオブックなら不思議と読むのが苦にならない。
また、糸井重里や宮沢りえ、大竹まこと等、誰もが知ってる有名人が朗読するオーディオブックを作るなど、取組もなかなかユニーク。今後、こういったコンテンツが増えてきたら化けるかも知れない。
ただし、Audibleにラインナップされている文学系のオーディオブックは新作に乏しい。新作の小説を聴きたい場合は、febeの方に分があるように思う。
コンテンツのラインナップについてまとめると、次の様になる
- ビジネス書・実用書は圧倒的にfebeが強い。(というか、Audibleが酷過ぎる。。)特に、売れ筋の新刊をオーディオブックにする力はfebeの方が強い
- Audibleは古典や近現代文学の品揃えが結構しっかりしている。ただ、新作や売れ筋系の文学書は少ないので、そういったオーディオブックが聴きたいときはfebeがお奨め
■サービスの使い勝手
サービスの使い勝手は両方共に特色がある。特徴的なものをそれぞれに挙げておくと
febeの良いところ・難点は以下の通り
- オーディオブックをMP3でダウンロード出来るので、スマホ以外にもPCや音楽プレイヤーでも聴けるし、CDに焼けばCDプレイヤーやカーオーディオでも聴ける
- 買い切りモデルなので、一度購入したオーディオブックは特に期限無く聴くことが可能。買わない月は費用が発生しない。
- 1曲ずつの購入なので、買って聴き始めてから「しまった、イマイチだった」と後悔することがある
- オーディオブックの購入がアプリから出来ない(iPhoneの場合は、Appleの制約でできない)
Audibleの良いところ・難点は以下の通り
- ライブラリへのオーディオブック追加をアプリとWebの両方から行える
- 定額聴き放題なので、気になるオーディオブックを気軽にライブラリに追加して試し聴きができる
- オーディオブックはスマホアプリからしか聴けない
- 定額モデルなので、サービスの利用を止めるとオーディオブックが聴けなくなる。また、毎月必ず1500円課金される。
基本的に、febeもAudibleもオーディオブックをダウンロードしながら聴くことは可能。再生の速度も変えられる。
Audibleの少しイケてる機能として、聴いた時間の統計情報を見ることができる点を挙げておきたい。難点は、聴いた時間は日ごとに見えるけど、その日に何を聴いたか分からないこと。
■今後のオーディオブックとの付き合い方
僕の場合は、Febeに既に沢山のオーディオブックの積ん読があので、まずはこれを消化していきたいというのと、ラインナップから言ってもAudibleを積極的に使っていこうという考えは持っていない。
ただ、Amazonプライム会員なので、3ヶ月無料体験ができるので、もう少しの間AudibleとFebeを併用したいと思う。
記事の途中に書いているとおりAudibleには「古典」「近代文学」「落語」あたりに期待を持っていますし、時々Febeで気になったものの買わなかった「ビジネス書」が見つかるので、そういったものをライブラリに集めておいて、聴き進めたい。
恐らく、3ヶ月無料体験の間に聴きたいものはあらかた聴けてしまうだろうが、その頃までにラインナップが改善されるようであれば、課金して暫く使い続けたいと思う。
目下の悩みは、米国側のAudibleで買ったオーディオブックをどうするかだが、取り敢えずiPhoneは日本のアカウント、iPad miniは米国のアカウントなどと使い分けてみたい。
■最後に
Audible自体はまだ日本に上陸して日が浅いサービスなので、コンテンツの種類や質についてはこれからに期待したい。
いずれにせよ、AmazonとインテグレートされたAudibleのおかげで、オーディオブックの存在を知る人はこれからもっと増えていくだろう。
オーディオブックに興味が有る人は、1ヶ月無料や、プライム会員の3ヶ月無料なんかを活用してAudibleをまず使い続けてみるのも良いかも知れない。
もしも、ベストセラー、ロングセラー、近頃流行した新刊などのオーディオブックを聴いてみたいと思うのであれば、是非Febeにも挑戦してみて欲しい。
参考リンク
2015年に読んだ本ベスト10+オーディオブック・セレクション7 | Hacks for Creative Life! – ライフハックで明日をちょっぴりクリエイティブに –
200冊以上聴いてきた僕が「オーディオブックBEST20」をお奨めするよ! | Hacks for Creative Life! – ライフハックで明日をちょっぴりクリエイティブに –