Kindleが日本に上陸するから「Kindle Paperwhite」か「Kindle Fire HD」か悩んで、どうせならAndroid環境も欲しいし「Kindle Fire HD」にしようっとなんて思ってたら実はGoogle Play Storeが使えないという事が分かって「ええい!ままよ!」と、勢いでたまたま在庫があった64GBのiPad miniを買ってしまったのも、今となっては良い思い出。
iPad miniはある意味当初の目論み通り、Kindleリーダーとしてなかなかに活躍してくれている。(この使い方だと、64GBの広大なストレージ容量は当然使い切れないけど。。)
ということで、今回は「iPad mini」と「Kindle」の組み合わせを半年以上使ってきて感じた電子書籍のメリット/デメリットを述べたいと思う。
■電子書籍の最大のメリットは場所の制約がなくなること
もう、何を今更という感じですが、電子書籍の最大のメリットは本を置いておく「スペース」が不要であり、「携帯性」に優れているところ。これは本へアクセスする際の場所の制約が無くなったと言い変えることができる。
Kindleが出る前から使っていた「i文庫」にはPDF系の電子書籍が何冊か入ってるんだけど、二つ併せると数百冊の電子書籍がiPad miniに収められている計算になる。(殆どがマンガなんだけど ^^;)
我が家の蔵書は殆どが紙の書籍なので、これらを参照する際には家に帰って見る必要があるのだけど、電子書籍であれば多くの場合インターネットに接続できる環境であればいつでも参照することができる。(Kindleは同一アカウントからマルチデバイスにDL可能。PDFであればDropboxやEvernoteに入れておけば良いだろう)
ぶっといビジネス書とかだと、1冊でiPad miniより重かったりするし、鞄の中も圧迫されるから、ちょっと持ち歩くのには躊躇したりするんだけど、電子書籍だとそれがないのが凄く有り難い。
■欲しいときにすぐ手に入る&割安なことが多い
これは場所の制約からの解放に限りなく近いけど、欲しいときにすぐ手に入るというのは本当に素晴らしいメリットだと言える。読みたい本が見つかった時に、紙とKindleのどちらでも選べる場合は一刻も早く読みたいからKindle版を買ってしまうことが多い。
また、これはAmazon側からのプレッシャー的なのもあるんだろうけど、殆どの書籍で紙よりもKindle版の方が安い値段設定となっている。例えば、ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」だと、紙の書籍が1800円であるのに対してKindle版は1440円(24%off)という値付けになっている。
欲しいときにすぐ手に入り、なおかつ安価に入手できるという点は、実に大きなメリットと言えるだろう。
ただ、注意しないと(↓)こういうことになるorz
Kindleではよく1巻だけ99円とかで販売しているんだけど、たいてい1巻を読むと続きが気になって、2巻以降を定価で大人買いしてしまう。紙の本だったら買いに行くのが面倒という心理的障壁があるし、注文してから届く迄に時間が掛かるから立て続けに「続きが気になる」状態にならずに済むので傷は浅い。
買ったらすぐ読めるKindleならではの販売戦略であり、僕の様に意志が弱い人に取ってはKindleというのは実に危険極まりない存在だと言えるだろう。
■読みやすさや物質的感触などなど
文字の読みやすさで言えば、紙とタブレットではそれほど大きな差はない。というか、慣れの問題だと思う。普段からスマホでTwitterに興じたりRSSを購読している人であればどうということはない。
それよりも、iPad miniで長時間本を読んでると目が疲れることの方がよっぽど問題だろう。相手は高輝度な液晶なのだから仕方ないと言えば仕方ない。そういう意味で、Kindle WhitePaperなんかの電子ペーパー端末は目が疲れにくいところが大きな利点と言えるだろう。
もう一つ、こればっかりはどうしようも無いけど、紙の書籍からは当然得られるであろう物質的感触は全くない。残りページ数を感覚的に把握したり、パラパラめくって「確かこの辺に」なんて探し方もできない。本棚に本を並べてむふふ、と悦に浸ることも出来ない。
■抜き書きがめっちゃ楽
最初、本に自由に書き込めないのは不便だろうなと思っていたんだけど、想像してた以上にKindleのブックマーク機能が便利で驚いた。
iPadだと長押しして範囲選択するだけなんだけど、ブックマークした箇所にコメントを付けることもできるし、TwitterやFacebookに共有出来たりという機能が実に面白い。
そして、何よりもブックマークを「amazon Kindle」のサイトでいつでもまとめて確認できるので、振り返りも楽だし、ひとしきり抜き書きが終わったところでEvernoteやMediaMarkerに取り込んで読書ノートを作ることもできるってのが無茶苦茶便利。
紙の書籍から抜き書きする場合はどうしても文字を打ち込むという作業を行う必要があるのだけど、電子書籍なら選択するだけで良いってところもひとつメリットといえるかなと。(抜き書きや読書ノートは手間をかけるから本の中身が入ってくる・・という方もいらっしゃると思うので、万人にとってのメリットではないかもですが。)
■iPad miniぐらいが電子書籍を読むのにちょうどいい
ちなみにだけど、普通のiPadだと650g、Kindle Fire HDだと400gとiPad miniの300gに比べるとちょっと重ため。一回iPadで電車の中で電子書籍読んでみようとしたことあったけど、かなり腕が疲れたのでちと外で使うのは辛いかなと。
外でも電子書籍を楽しみたいならスマホで読むか、iPad miniやKindle WhitePaperあたりの軽いタブレット端末を使う方が無難かと。個人的には色々使えて楽しいし、意外に電池も持つのでiPad miniがオススメ。
■最後にー個人的な所感
実は僕にとって先に挙げた物質的感触が意外に重要で、今のところ紙の書籍を好んで購入している。文字としての読みやすさは文句は無いけれど、どうしても紙の束である本でないと気持ちが乗らないのだ。(多分、慣れの問題だとは思う)
最初に読むときは紙の媒体がよく、後から参照するリファレンス用途であればは電子データの方が優れているなと思うけど、あまり自炊(本を裁断してスキャン)をしても読み返さないだろうと思う。自炊するぐらいなら最初から電子で読み進めて、抜き書きをバンバン残して、再利用可能な読書ノートを作りたい。
実際の所、よほど良い本でも無い限り大半の本は読み返されることはない。良かった本を読み返すにしても、紙の本の方がパラパラと眺められるので読み返す気が起きる。電子書籍だと嬉しいのは、出版や論文執筆などで都度都度参照したい資料性の強い書籍であったり、能動的には読み返さないけどいつか必要になるかもしれない本あたりかなぁと。
「iPad mini」と「Kindle」を半年ほど使ってみて、その便利さは理解できたと思う。しかし、まだ自分自身が紙と電子書籍の使い分けを決め切れておらず、電子書籍を読むという行為自体に順応できていないとも思う。
もう半年、一年と使う内に慣れていって、どんどん電子書籍に移行していくかもしれないし、技術の進歩がデメリットを大きく凌駕するメリットを生み出すかも知れない。例えば、読書ノートを作るよりより少ない労力で、より効果的に電子書籍の外部脳化が行える様な仕組みができえれば電子書籍を積極的に使うようになるだろうなぁと妄想だけが膨らむ今日この頃。(その辺はEvernoteに期待)
今回紹介したデバイス&アプリ
Kindle 3.9.1(無料)
カテゴリ: ブック
販売元: AMZN Mobile LLC – AMZN Mobile LLC(サイズ: 18 MB)
全てのバージョンの評価: (3,806件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応
本文中に出てきた電子書籍
電子書籍化された拙著
ちなみに、拙著も何冊かkindleストアに並んでおります
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