久々に書評です。
12月18日のシゴタノセミナーに参加した際に佐々木正悟さんから頂いた「仕事をためこまない人になる5つの習慣」をやっと一通り読み終えることができたのでまずは簡単に紹介から。(まだ読み込んでいる途中なのですが、内容が盛りだくさんなので・・詳しくはまたまとめたいと思います)
シゴタノの今週の一冊でも紹介したのですが、この本の特徴はなんと言っても佐々木式仕事術についての具体的な方法論が学べると言う点でしょう。
佐々木さんの前著「ライフハック心理学」は仕事術本というよりも心理学的な観点から、僕らが普段「集中力や記憶力をもっと高かったらいいのに」とか「悪い癖を直したい」といった僕らの願望や悩みに答えてくれる内容でした。
本書も「仕事術の本を読んでいるのだけど、何故か状況が改善されない」といった悩みに答えてくれるものの、より具体的な佐々木式仕事術ともいえる方法論が書かれ、それらを実際に使えるようにする(本書で言うところのメンタルモデルを身につける)ことを主眼に書かれている本なのです。
■サクサク仕事を進める方法論が満載
本書はタイトルにもあるとおり5つの習慣という形で「仕事をサクサク進めるための方法論」が詳しく書かれています。
- 脳と心の習慣
- 書類整理の習慣
- やることリストの習慣
- メール整理の習慣
- メモの習慣
まず入の第一章で「メンタルモデル」という概念を説明し、今まで本を読んできた人でも仕事術が身につかないとか、仕事術を試してみてすぐに「この仕事術は自分には合わない」と投げ出してしまっていた人に対して「どうすれば仕事術が身につくか」について説明されています。これがミソで、もし本書に仕事術だけが書かれていたとしたら、これまで仕事術系の本を読んでも身にけられなかった人はやはり本書の内容も身につけられない可能性が高いのです。
2章から5章というのは書類整理、タスク管理、メール、メモの具体的な方法論について述べられています。この方法論が先ほどから繰り返し述べている「佐々木式仕事術」であり、ここに書かれている内容を一通り身につければ間違いなく「サクサク仕事をこなせる」ようになることでしょう。但し、ちゃんとメンタルモデルを理解することができれば、の話ですが・・・。
■仕事術には良い仕事術と悪い仕事術がある?
恥ずかしながら私は「メンタルモデル」という言葉を知りませんでした。別の言い方をすれば「原理原則」であり、物事を本質的に理解することでもあります。仕事術の本を読んでその仕事術についての知識を得たとしても、本質的な理解に至っていなければ「例外」が発生したときに対処することもできないのです。
もしも今読んでいる本の内容を試そうとして、いきなり本には書かれていないイレギュラーなことが発生したらどう思うでしょうか?「この仕事術は欠陥品だ」とか「この仕事術は私のワークスタイルには合わない」と考えてしまうのではないでしょうか?
しかしながら、世の中の仕事で例外がないものなどあり得ません。そこに書かれている内容がそのまま使えないからと言ってその仕事術を欠陥品扱いするのはいささか短絡的と言えるでしょう。本質さえ理解していれば、そこに書かれているツールを別のモノに置き換えたり、少し手順を変えてみたりといった工夫を凝らすことができるはずなのです。
■本書は1度で2度オイシイ
本書では、第一に大切とされた”メンタルモデルを理解すること”を実践するために「佐々木流仕事術」の数々が具体例として用意されているという理解で差し支えないでしょう。つまり、本書を読み実践することで、学んだ方法論の効果を高めるために必要とされる「メンタルモデルを理解する」体験が出来るだけでなく、「佐々木流仕事術のメンタルモデル」を理解することができてしまうのです。
「色んな方法論を試してみたけど今一効果がない」と感じていて「佐々木さんの仕事術をもっと学びたい」と思っている僕の様な人にとっては、1度で2度オイシイ本なのです。
佐々木さんの前著「ライフハック心理学」は個人的に「今年読んだ本で1番」だったのですが、本書はそれに匹敵する内容でした。この2冊は絶対お奨めですので、興味を持たれた方は是非読んでみて下さい。きっと今まで自分ができないと困っていた課題を克服するためのヒントに出会うことができますよ。
仕事をためこまない5つの心理テクニック 〜本『仕事をためこまない人になる5つの習慣』より
もしも、あなたが今述べたような、時間に追われ、心の余裕をなくし、それでも仕事を完璧にこなそうとするタイプの人であるなら、知るべきことは、仕事術のテクニックよりも、…