2007年〜2009年まで友人ととあるWebサービスを作っていた。
おりしもWeb2.0というバズワードが流行だし、セマンティックWebだったり、RSSだったりSNSだったりとちょっと浮かれた感じの時期だったってのもあったけど、当時は自分のアイデアを形にしたくて仕方なかった。
残念ながら、そのWebサービスは僕と友人の生活に大きな変化があったこともあり、日の目を見ることはなかったのだけど、あの時のがむしゃらな感じは結構楽しかった。
お互い独身だった友人と、時折開発合宿なんかをして、メールやスカイプで議論も重ねて、少しずつモノをつくりあげていくことがただただ楽しかった。
■あの頃の僕らは何も持っていなかった
たった5〜7年前の事ではあるけど、当時はあらゆるものが無かった。
Dropboxも開発の最後の方まで存在しなかったし、Evernoteもまだ”興味が有る”レベルだったから、情報共有からファイル共有まで非常にめんどくさかった。ソースの共有はSubversionを自鯖でたてるかーという感じだった。
世間がクラウドとか騒ぎ出すいっぽ手前ぐらいだったので、物理的なレンタルサーバ意外選択肢がなくて、サービスをローンチする最初の敷居がめちゃくちゃ高かった。
今ならさくらのVPSでも借りればとりあえず、サクッと実機に近い検証環境は確保できるし、スモールスタートはVPSでやって、途中からさくらクラウドやAWSに移行すればスケールアップだって容易だ。
昔はRailsがよくわかんなかったとかMVCなんじゃそりゃってのもあったので、とりあえず慣れ親しんだASP.netで作ろうとしたことが徒になった。
いや、ASP.netは悪くなかったんだけど、オープンソースの英知を活用できないことで、かなり無駄な労力が必要となった。(NUGETがあの当時にあれば)
Bootstrapもまだ世の中になかったからデザインに死ぬほど苦労した。
■2007年の僕はまだiPhoneを持っていなかった
2007年頃と言えば、スマホといえばWindowsMobile(WindowsPhoneではない)が代名詞で、僕もウィルコムのW-ZERO3を手に入れてはワクワクしながら、何に使って良いかも分からない状況だった。
2007年にアメリカでiPhoneが発売されたから、日本で持ってる人なんてアメリカにわざわざ買いにいった人だけだったしね。
ActiveSyncでパソコンのアウトルックとWindowsMobileが同期をするのだけど、全然使い勝手が良くない上に同期にしくじりまくる。それでも、タッチパネルでの操作と、フルキーボードに興奮し、Officeファイルが全然ちゃんと表示されないけど開けることに感動を覚えた。
2008年に日本でiPhoneが発売されたときは買うことができず、2009年に3GSが発売されたタイミングで手に入れた。
ちょうどそのタイミングぐらいから、ブログを本格的に書くようになったけど、当時はまだ自分が勉強会の主宰者になったり、シゴタノ!で連載したり、本を書いたり、雑誌や新聞の取材を受ける様な感じになるなんてこれっぽっちも想像していなかった。
当時、仕事で大きな変化があって、ライフハックや仕事術を本気で自分のスキルとして身に付けねばという危機感があって、”よりよく身に付けるためのアウトプットの場”としてブログを用いていた。そこに勃興してきたクラウドサービスやiPhoneへの関心が加わって、今のHacks for Creative Life!が確立したというわけだ。
■今ならもっとうまくやれる自信がある
最近、先に述べたプロジェクトにここ数年暖めたアイデアを組み込み、今風にアレンジをして開発を再開した。
当時一緒にやっていた友人と「もう一回やってみよう」という話になったのと、もう一人力強い仲間を得たから、というのがきっかけ。
当時のソースコードは全部捨てたけど、画面設計なんかは残っているし、DBスキーマ設計は殆どそのまま使える。
今はオープンソースの英知を最大限活用することで、当時抱えていた多くの課題をクリアしたところからスタートできるので、恐らく当時のソースに手を加えるより、ゼロベースで作り直した方が早く作り上げる事ができる。月並みな言葉だけど、良い時代になったものだ。
プロジェクトがストップしたのは2010年初頭で、僕のブロガーとしての活動が大きく広がりだした時期と重なる。
その時は、名前が売れればサービスローンチ後の展開がやりやすくなるぞ、位にしか考えていなかったのだけど、結局活動の再開には約4年の月日を要す結果となってしまった。
しかし、この4年の間に、僕は多くの知識と経験、そして多くの人とのつながりを得ることができた。時代は進んで多くの革新的な技術を容易に利用できるようになった。
自由に使える時間はだいぶ少なくなったけど、サービスを作り上げる力も、ローンチ後に発信する力も今の方が格段に高い。ビジネススキルは雲泥の差があるから、実務面でもファイナンスでも当時より格段に上手く立ち回れるだろう。
当時は曖昧模糊としていて、どこか「夢を追いかける」だけで、本当にうまくやれる自信なんてこれっぽっちもなかった。今は、サービスのビジョンも明確だし、何をすべきかも見えていて、打てる手が格段に多い。
今ならもっとうまくやれる自信がある。
■横浜百景No.011 港の見える丘公園から見たベイブリッジ
横浜の有名な観光スポットのひとつ「港の見える丘公園」から見える景色は意外に殺風景(失礼)
でも、昼間に横浜港を行き来する船をぼーっと眺めたり、こんな感じの夜景を楽しむ分にはとても良い場所だと思います。カップルで景色を楽しむなら夜、ひとりでぼーっと風景を見ながら心を無にしたい時にはお昼においでませ。
日々考撮とは?
日々考撮は、日々の風景と共にその日考えた事を思いついたまま自然体で綴る、プロトタイプ思考のアウトプットです。日々の「プロトタイプ」の地層から新たな着想と発展的アウトプットを生み出すことを目的としています。