皆さんは1990年代といえば、どんな印象を持たれるだろうか?
バブル崩壊と失われた10年。
就職氷河期とロスジェネ世代。
金融危機にアジア通貨危機、超円高。
高齢化社会に伴う福祉・医療の負担増と消費増税。
そういった暗いイメージを持つ人も多いだろうし、僕自身学生時代は「就職氷河期だから、資格を取っておけ!」とか言われたりもしたし、父親の仕事が大変な状況にあるという話を聞いたこともある。
しかしながら、この時代に少年期を過ごした僕としては、とても幸せな時期だったと感じている。
■90年代のサブカルチャー
今でも90年代に出会った音楽やアニメ、テレビゲームなどのイメージを鮮烈に持っている。
例えば、僕ら世代の男子向けアニメと言えば「ドラゴンボール」(1989-1996 ※TV放映日以降同様)や「幽・遊・白書 」(1992〜1995)、「スラムダンク」(1993-1996)、「るろうに剣心」(1996-1998)などが挙げられ、ジャンプ黄金期の熱量をリアルタイムに感じながら少年期を過ごしてきた。
音楽は人それぞれ好みがあるだろうが、僕の場合はB’zを好んで聴いていた他、小室ファミリーやらMr.ChildrenやらJUDY&MARYやらで盛り上がれるのは世代共通だと思う。この前90年代縛りカラオケをやったのだけど、@spring_maoちゃんにリクエストしたaikoの「桜の時」川本真琴の「1/2」によって男子一同大いに盛り上がったことは言うまでもない。
■ハイスコアガールに見る郷愁
ハイスコアガールというマンガがあるんだけど、これがめちゃくちゃ面白い。多分、僕ら世代でそこそこゲームで遊んできた世代は間違いなく楽しめる。
僕より少し上の世代にあたる主人公ハルオの少年期から(最新刊では)高校生になるまでの、基本ゲーム狂の馬鹿話で、それでいてちょっぴり切ない恋物語。主にアーケードゲームを中心に、90年代の懐かしいゲームがぞくぞくと登場するんだけど、それが何とも言えない郷愁を漂わせている。
「待ちガイル」が通じるのも僕ら世代だし、はじめてVFがゲームセンターに登場したとき「なんじゃこりゃ!!」と感動したり、大魔界村の理不尽なゲームバランスにもいらついたり、セガサターンとプレイステーションのどっちを買うかで心から悩んだりもした。そういう90年代ゲームキッズの心をガッチリ掴んで離さない名作ですよ、このマンガ。(この後DESTROYEDとかブロッキングor投げとかが登場するのかが楽しみで仕方ない)
なんか、こう、ゲームはパズドラを空き時間にやるぐらいになった今としては、何であの頃はあんなにゲームに心血を注げたんだろうなって不思議だし、逆にこういうマンガで当時を偲べるのもなんかいいなぁって。そりゃまぁ、もっと勉強しとけばよかったと後悔することもあるけど、なんだかんだで楽しかったなぁって、あの時代。
■僕の中のIT革命とインターネット革命
さて、もう一つ90年代といえば忘れちゃいけないのがIT革命。
Windows95発売前後を境に爆発的にパソコンが普及して、インターネットが爆発的に広がった熱い時代。Googleはまだ産声をあげたばかりで、Linuxも急速に普及し出し「これからはオープンソースの時代だ!」なんて言い出してた時代。 アメリカではドットコムバブルが膨らんで、2000年に入ってすぐ頃はじけた。
はじめてパソコンを買ったのが中学一年にあがりたての1995年の4月。Windows95がでる直前だったので、Windows3.1のパソコンを買った。お金が無かったのでPC-98は買えず、DOS/V機を買った。今は亡きコンパックの「プレサリオCDS520」という機種だ。Windows95を入れるためにメモリを増設し、CPUを載せ替えたあたりで既にパソコンオタクになっていた。親にねだってVisual Basicを買って貰い、プログラムを独学で勉強した。
はじめてインターネットに接続したのは高校2年生。大阪の片田舎にも月額固定のプロバイダが出来たので、喜び勇んでテレホーダイに申し込み、23時〜3時ぐらいまで、まだGoogleもAmazonも日本に来ていない、ブログという言葉すら存在しないネットを巡回した。徐々に知り合いが増えてくると、Age of Empireというオンラインゲーム対戦に熱中するようになるが、ここまで来るとそろそろ2000年代が見えてくる。
■何が言いたいかというと・・
もう、ほとんど考察でもなんでもないただの思い出話だ。
でも、忘れて欲しくないのは僕ら世代は間違いなく90年代に少年期・青春期を過ごしていて、その中で色んなサブカルチャーにまみれ、時代の変化に機敏に反応しながら成長してきた、ということだ。
今でもあの頃の音楽やアニメは凄く好きだし、懐かしいし、同世代の皆と話せば間違いなく盛り上がる。少なくとも僕にとっては90年代は凄く幸せな時間だったし、きっと同世代の多くが同じ意見だろうと思う。
そして、この頃の経験や、将来描いていた夢が、今の僕の仕事にも繋がっているし、さまざまな活動に繋がっている。大阪の片田舎で、誰からも理解されずにパソコンを自作し、プログラミングを組み、雑誌経由で垣間見るシリコンバレーの情勢に目を輝かせてた少年が、今では大手メーカに就職し、日本のモバイル通信の未来に携わっている。(そして、今も起業の夢は諦めていない)あの頃の自分に向かって「お前間違ってないから自信持って生きろよ」と言ってやりたい。
僕にとっては2000年代も悪くは無かったけど、1990年代はやっぱり特別だ。きっと他の人にとっては別の年代が特別だってこともあるだろうし、それでいいんじゃないかと思う。
他の人に自分の生きてきた時代をとやかく言われるのは嫌だし、すぐに人をxxx世代と括ってしまう風潮も嫌だ。他人の時代に口出ししている暇があるんなら、僕は今生きてるこの2010年代が1990年代にも勝る特別な時代になるように精一杯生き抜きたいと願う。
■横浜百景No.7 桜木町方面から見たランドマーク
あべのハルカスに日本一高いビルの称号を譲ったとはいえ、今なおその存在感に陰りが見えないランドマークタワー。みなとみらいはMARK ISもできて観光地としての人気も益々高まっているのですが、ランドマークのオフィス棟は空きが多いんだとか。ランドマークで働けたらテンション上がりそうやねんけどなー。