結婚式の準備の為に実家の母親から子供の頃の写真を見繕って送ってもらいました。
不覚にも何度か胸がいっぱいになって目頭が熱くなってしまったり・・・(^^;
■写真は形に残る思い出であると共に、記憶を想起させるメタ情報
赤ちゃんの頃の記憶は流石にありませんが、4,5歳の頃の思い出はうっすらと残っていました。普段は思い出すことがないけれども、写真を見るとそれなりに明瞭な記憶がよみがえってくるから不思議なものです。写真そのものも大切なカタチに残っている思い出ではありますが、そこから自分の記憶を想起させてくれるメタ情報たりえることもまた写真の魅力だと言えるでしょう。
beck1歳の頃の写真(左) / beck4歳の頃の写真(右) 自分で言うのも何だが、この頃が人生で一番かわいい。
同じ情景の写真を見たとして、そこに写っているものの理解は同じだとしても、そこから呼び起こされる記憶や感情というのは人それぞれ違っていて、人はそれを思い出や思い入れと呼んだりします。音楽などにも同様の効果がありますが、自分や周囲の人という関連性の強い対象が写ることの多い写真の方が、より直接的に記憶を想起させてくれるような気がします。(僕の印象的には音楽は雰囲気やその時の思い出がもわっと浮かんできて、写真はその時の記憶や情景がリプレイされる感じです。)
■僕らは何故、かくも大切な事を忘れてしまうのか?
昨年7月に、祖父が他界しました。享年82歳だったので、十分に生を全うしたのだと思います。うちは両親が共働きだったこともあって、祖父母にとてもお世話になりました。祖母が亡くなったのが18年前で、それから17年後祖父が亡くなりました。その間に受けた愛情に報いることはもう出来ませんが、その分の愛情をこれから生まれて来るであろう、自分の子供や孫に注ぎたいと思います。
さて・・・そんな大切な祖父母との思い出ですら、ぼくは普段の生活で忘れてしまっています。それは、その時々で必要な事にフォーカスしているからとか、忘れることで辛い出来事を乗り越えていくことができるとか・・・色々な理由があると思います。ただ、普段忘れているからといって記憶がなくなったわけではなく、その記憶を思い起こすための刺激が無くなっているだけなのです。
去年他界した祖父とのツーショット(左) / 18年前に他界した祖母とのツーショット(右)
とてもお世話になった祖父母との思い出や感謝と尊敬の念を、僕は生涯大切にしていきたいと思う。
この丸いのは10歳ぐらいのbeck。今は亡き愛犬コタローがうちに来たばっかりのころの写真。超かわいい。
ただ、この思い起こすための刺激を未来永劫受けない場合、記憶は残っているが思い出されることがない・・・つまり、なくなったに等しい状態になってしまうのです。だからこそ、残したい記憶、思い出についてはそれらを引っ張り出すための仕組みに組み込んでおく必要があるのです。
例えば、写真や映像に残しておくのも良いと思いますし、ユビキタスキャプチャや日記の形で残しておいて後から見返すというのも良いと思います。勿論、Evernoteに全ての記憶を放り込むというのも良い方法です。僕が普段このBLOGで手帳やEvernoteについて少々偏狂的なまでに記憶に拘った記事を書くのはこういった理由があるからです。
■写真から感じた「両親の愛」と「感謝の念」
話を戻して・・・僕がこれらの写真から感じたものは「両親の愛」でした。
そして、同時にその事に大きな「感謝の念」も抱きました。
生まれたてのbeck&母親(左)/眠る赤子beck(右) 地味にうちの父親はカメラの腕がある気がする
僕らが写真を残すときはどんなときか?
それは、その瞬間を切り取って形に残すことで思い出に残したいとか、もう少し気軽に考えても、記録しておきたいとか、誰かと情報をシェアしたいとか、そういう何らかの「想い」がそこにはあるからです。
今将に結婚式を挙げようかという所まで成長し、大切な思い出や記憶を如何に残すかを考えるようになってやっと気づけたことですが・・・両親がこれだけの写真を残してくれたことの意味を、その時の両親の感情を思うと感謝せずにはいられませんでした。なんだか気恥ずかしいですが、この先両親に対しては折りに触れて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
■最後に
人は大切な思い出すら忘れてしまう生き物です。
しかし、それを思い出すための仕組みを作ってきたのもまた人なのです。
僕は今後の人生で、「大切な今」を切り取り、整理し、見返すということを繰り返すと思います。
それは、僕だけでなく、僕の大切な人達にとっても価値あるものになると思います。
皆さんも是非「大切な今」を残すことの意味を考え直してみて下さい。
そして、過去に両親が、自分が残した軌跡から、大切な思い出を引き出してみて下さい。
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