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【書感】「すべてはノートからはじまる」のファーストルック所感とプレゼント企画

倉下忠憲さんの新刊「すべてはノートからはじまる」が発売されました。

予約がスタートした段階で、速攻楽天ブックスで予約をしていたのですが、ありがたいことに倉下さんからご献本いただけたため、予約購入した1冊はPodcast/Blogをご購読頂いている方にプレゼント差し上げたいと思います。(詳細は記事の最後に)

本記事はPodcastで話した内容をベースにしています。是非Podcastの方もご視聴/ご購読頂けますと幸いです。

お恥ずかしながら発売よりも少々早くご献本頂くというファーストルック対応にもかかわらず、まだ完全に精読できておりません。ということで今回は全体をざっくり読んで100P程度精読をした中での所感を述べさせて頂きたいと思います。

良い意味で引っかかる所の多い本なので段階的に書評を書いていくことにした

ノートに関する様々なテクニックが紹介されているのだろうと気楽に読み始めたのですが、どうにも読み進めるのに時間が掛かってしまっています。

これは良い意味で引っかかるところが多く、そこに線を引き、読んだり戻ったりを繰り返しながら徐々に自分の考えや理解と統合を果たしていっているからで、そりゃまぁ時間が掛かって然るべきなんです。

すんなり読める本というのは、自分としては新しく得たもの/得たいと思うものが少ない本とも言えるかもしれません。それは単に「既に知っている」ということを意味するわけでは無く、「知らないが故に」今の知識体系では捉えきれなかった情報を抽出出来ないからかも知れません。或いは、単純に興味関心/問題意識のフィルタにうまく引っかからなかったというだけかも知れません。

そういう意味で、本書は今の僕の知識体系/興味関心フィルタのど真ん中に見事にハマっており、精読に非常に時間が掛かってしまっているわけです。ということで、全部精読してから書評を書くにはもう少し時間が掛かりそうなので、何回かに分けて段階的に書評に仕立てていきたいと思います。

最終的には、書評の形を借りた「僕の最強のノート術」を論じることになるかも知れません。それが本書が目指すところでもある気がするので、そっちに流れることも悪くはないだろうと思っています。

所感とメモ

ノートを取るという概念が拡張される感覚

出だしが人類の歴史や脳科学から入ってきて、ノートをとる技術の話はいつ出るんだろうと少し面食らう出だしです(まぁ、目次見てるからいつ出てくるのかは分かってるんですが)。それにしても、人類及びテクノロジーの発展の裏にノートがいるという壮大な物語はちょっとしたドキュメンタリーなので、NHKは人類とノートの歴史について是非映像化をしてほしいところ。

ちなみに、のっけから読者に「ノートは不真面目且つ自由にとろう!」と言っていて、ノートを上手く取りたいとすがってくる迷える子羊たちを無慈悲に突き放して不安になったところ、ちゃんと

ある技法をマスターするために一時的に指示されたことに従う必要はあるかも知れませんが(その際は最大限の真剣さで取り組むことがコツです)、それは時限式の真面目さで大丈夫です。つまり、「とりあえず、方法が理解できるまでは言われたとおりにやっておこう」という見せかけの、つまり不真面目な態度で良いのです。 (P51-52)

助け船を出してくれるあたり、実に読者心理をおもんばかってくれているなぁと心から安心した次第です。最初っから自由にやるっていうのは、それはそれで大変なことなので。

ちなみに、本書で言うところのノートは、いわゆる僕らが思うノートの領域よりは広く見える知れません。タスクリストも、マインドマップ(ラディカルマップ)も、本を書くことも、すべからく本書ではノートという扱いです。しかし言われてみれば、これらは何らかの形で頭の中にあることを外部に記録しているといえるし、空想の円環(頭の中で考えたつもり、覚えているつもり)を抜け出す為にいずれも有効なノートテイキングなのです。

本書によってもたらされる大きな効能の一つは、ノートを取るという概念が拡張されるという点にあります。本書を読み進めるに従って、ノートを取るという言葉の意味するところがメリメリと既存の殻を突き破る音が、きっとあなたにも聞こえるはずです。

記憶と記録の相互補完、という考え方がすごくしっくりくる。

さて、本書の中で僕が特に気に入っているのが「記憶と記録の相互補完」という言葉です。

僕は最近常々、新しい物を生み出すためにはちゃんと記憶(深く理解)をしていることが非常に重要であると感じています。なので「分からなければググれば良い。知っていること事態に価値はない。」みたいな言説には1mmも共感ができずにいました。

「知識を活用する」という言い方の是非はおいておき、知識をアウトプットに用いたり、自分が考える際に用いたりする時、知識が脳の外にしか無い・・というのは相当効率が悪いと思うわけです。言うなれば、メモリで保持している情報と、HDDで保持している情報ほどにデータアクセス速度に差が出ます。知っている、さっと取り出せるというのはとても重要なのです。

しかし、人間の脳は全てを記憶し、スムーズに引き出せる便利なデータベースとしては作られていません。検索する、細部に渡り記憶するというのは、デジタルノートなどの方がよほど優れていることも間違いありません。

大切なことは、自分がその知識を理解し使える状態であり、その知識の詳細に関しては何らかのノートに記録し、必要に応じて参照するということだと思います。記憶と記録が相互補完することが、知識を活用するにあたり非常に重要なのです。

デジタルだと一つのノートにまとめたくなる問題

もう一点、紙のノートは一冊のノートにまとめようという気が起きないのに、何故かデジタルだと一冊にまとめたくなる問題について触れておきたいと思います。

僕はこの罠にはまって10年ほど最適解を出せずにいたのです。何故かはよく分かりませんが、Evernoteに対して全ての情報を一カ所にまとめることで第2の脳ができあがる、と心から信じていたのです。

しかし、紙であれば、メモ帳とアイデアノートは分かれていて、サイズも使い方も違っています。仕事の議事メモとアウトプットを出すために自分が殴り書きしたA4ノートのスケッチは、同じノートでない方が好都合でしょう。

つまり、後から見返すこと、記録した内容を維持することに価値がある場合もあるということです。議事メモの内容を、自由気ままに書き換えられてしまうと、エビデンスとしての価値がゼロになり、僕が1週間後の打ち合わせで記憶を正しくリロードすることを難しくします。

逆に、自分の記憶、或いは自分の知識を蓄積/育成していく為のノートであれば、何度も読み返し、書き足し、書き直すべきなので、議事メモの場合と全くアプローチが異なります。

本書の目次で分けられているように、

  • 進めるために書くノート
  • 考えるために書くノート
  • 伝えるために各ノート

といったノートの適用領域を定めることによって、それぞれに求められることと、それに対する最適なツールが見えてくるのではないかと思います。

僕自身の話をさせて頂くと、以下の様にノートなるものの解像度を上げることでツールの使い分けができるようになったのも、ずいぶん最近になってからのことです。

  • Evernoteはキャプチャツールと残しておくことに価値のある記録の保管庫としての役割に特化
  • Obsidianに自分の知識ネットワークの保管場所と思索する場としての役割を与える
  • Workflowyには考えを書き散らかし(フリーライティングと本書では表現される)、構成を考えたり、アウトプットの体裁を整える役割を与える

ノートテイキングの解像度を上げ俺の最強のノート術を組み上げよう

これはまだ僕の願望の域を出ないのですが、多くノートテイカーは、本書を読むことによってノートテイキングの解像度をあげ、最適なツールを選び、最適なノートテイキングの技術で目的を達成することが出来るようになるのではないかと考えています。

ざっと読んで、100P程精読しただけですが、それでもノートテイキングの解像度が上がっていることを実感しています。今後精読を進める中で、より自分の中でノートテイキングの知識体系がクリアになるのではないかと期待しています。

GTDと出会ったのは10年以上昔のこと、最近ではまたEvergreenote、ツェッテルカステン等、ノート術界隈が楽しい感じになってきています。ツールとしてもEvernoteだけでなくObsidian、Roam Research、Scrapbox、Notion等様々な選択肢があります。

僕は本書を読んだ人それぞれが、「ノートを取る」という言葉の背景に、人それぞれ違った意味、アプローチを作り上げていくことが本当に楽しみです。それを共有しあうことこそがライフハックの醍醐味ですから。

プレゼント企画

#hacks_radio」にご意見ご感想ご要望、「あなたのノート術を教えてください」というお題にご投稿頂いた方の内「すべてはノートからはじまるプレゼント希望」と書いて頂いた方の中から1名様に本書をプレゼント差し上げます。

既に本書をご予約、ご購入の方は「すべてはノートからはじまるプレゼント希望」を書かずにご投稿ください。「#hacks_radio」へご投稿頂いた方で住所をお知らせ頂ける方全員に、番組オリジナルステッカーをプレゼント差し上げます。(TwitterのDMでご連絡さしあげます)

「すべてはノートからはじまる」プレゼントの応募締め切りは7月31日までとし、その時点で応募があった方の中から抽選を行わせて頂きます。

最後に

ということで、今回はファーストルック所感ということで、ちょっと早めに読ませて頂いた御礼も込めて速報ベースで感想を述べさせて頂きました。プレゼント企画しといてなんですが、本記事を最後まで読んじゃった方なら100%買って損なしなので、今すぐ買っちゃいましょう。

次は精読後、今回言い損ねたことを中心に書評を書きたいと思います。それでは次回お会いしましょう!

改めてですが、本記事はPodcastで話した内容をベースにしています。是非Podcastの方もご視聴/ご購読頂けますと幸いです。


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