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2016年に読んだ本で良かったもの15選

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2016年も残すところ後2日。
(本記事は2016/12/30に公開)

2016年に読んだ本は、紙の本、Kindle、オーディオブック併せて74冊でした。

ということで例年通り、今年読んだ本の内、良かったと思うものを紹介したいと思います。今年は15点とちょっと多くなってしまったので、ジャンル別に分けて紹介したいと思います。

■イチオシ小説な2冊

ホーンテッド・キャンパスシリーズはもう安定の面白さです。(最近は主人公の森司のへたれっぷりがましになってしまったのがちょっと物足りない感を誘いますが)最新刊が出た(10月25日発売)のに気づくのが遅れたため、最新刊は2016年最初の読了本となる見込みです。 

今年一番かも知れない一冊。オーディオブックで読了したんですが、めっちゃ面白かったです。

何が凄いって、1985年にこの小説が書かれたって事で、当時描かれていた未来と今の科学技術なんかを比較しながら読むと(聴くと)すごく面白い。

月の洞窟から発見された5万年前の宇宙服を着た死体について、段々と明らかになっていく断片的な事実が最後にバババババッと繋がって衝撃の結論に至る爽快感を是非一度体験してみて下さい。

ちなみに、続編の「ガニメデの優しい巨人」もfebeで配信されており、こちらも2017年最初の読了オーディオブックになる予定です。

オーディオブックはお得なパック版もあるので、これから「星を継ぐもの」のオーディオブックを買われる方は、こちらがオススメです。

■歴史読み物2冊

逆説の日本史的で実に面白い歴史読み物でした。(ジャンルは歴史ミステリー・・らしい?)ただ、かなりぶっ飛んだ説が展開されるので、仏教界やキリスト教界から怒られるんじゃないかって心配になるほどです。

タイトルこそ邪馬台国ですが、それ以外にも聖徳太子の正体や、光秀謀反の理由、仏陀の悟りにキリストの復活と、様々な歴史テーマにスポットが当てられます。

逆説の日本史は歴史読み物としては大変に面白い。

歴史というのはいつでも勝者が書き換えてしまうものなので、 確かに日本書紀などに書かれていることが真実とは限らない。井沢さんの繰り広げる説は、知らず知らずの内に迎合してしまっている教科書的歴史観に揺さぶりを掛けるという意味で、非常にエキサイティングです。

このシリーズは、エビデンスが十分とは言えない状況で推論を重ね、時には他の説の根拠となる史料への攻撃も繰り広げてしまうため、学者肌の人には合わないかも知れません。

■お金のリテラシを学ぶ2冊

News Pickで記事を読んで以来すっかりハマってしまっている山崎元さん。自称お金の達人的な人は、すぐにいかがわしいマンション投資とかネットワークビジネスを薦めて”不労所得”だ、とか言ってくるのですが、この方であれば大丈夫そうです。

本書では、インタビューを受ける形でお金の講義をしてくれ、話題は保険、年金、不動産、投資と多岐にわたります。タイトル通り、基本は「お金の増やし方」に関する本。概ね自分の考え方に近いなという感じ。

楽天証券の人なのに「アクティブ投信は結局インデックス投信に勝てない」とか「手元資金を積み立てるのは買い付け手数料分だけ無駄」とか言って大丈夫なんだろうかとちょっと心配になったけど、それはそれ。

とりあえず、長期投資の貯めにNISA口座開設と、資産の一部を国内と海外のインデックス投信50:50で割り振ってみようかと思います。

 さっきの山崎さんの本が「お金の増やし方」だとすると、こちらは「お金の守り方」に近い本です。貯金、投資、保険、不動産購入などなど、扱うテーマは山崎さんの本に近いです。

・収入以上にお金は使わない
・収入の使い途は貯蓄2:生活費6:自己投資2
・借金を返すときは兎に角金利が高いものから
・マイホームを購入するなら家賃相場の200倍位内を目処に
・マイホームを購入するときは30年後の資産価値を考える
・家計の貸借対照表を作る

と、書かれている内容は知っているものもあれば、初めて知るものも有り、そこそここの手の本を読んだことがある人でも、得るものがある本ではないかと思います。

これからマネーリテラシを身に付けたいと言う方であれば、文句なしにオススメできる一冊です。

■ビジネススキルを身に付ける2冊

 メンタリストDaiGoさんと言えば、一時期テレビでよく見かけていた方ですが、本書はそういうメンタリズムは一切関係ありません。

集中力をコントロールするための様々なライフハックが紹介されており、ライフハック界隈では懐かしのポモドーロテクニックなども紹介されていて「あのDaiGoがポモドーロだと!!」と思わず身を乗り出してしまいました。

本書では、ウィルパワー(意志力)という言葉が繰り返し使われていますが、根拠については他の書籍や論文に委ねています。意志力に関する科学的な根拠や鍛え方などに関しては「スタンフォードの自分を変える教室」や「やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~」を参照するのが良いと思います

今年は何冊か読書術系の本を読んだのですが、この本が一番面白かったですね。

特に音楽を聴くという体験と読書の対比は実に示唆に飛んでいます。音楽は1音たりとも逃さず聴こうとはしないように、読書も一言一句逃さず読む必要は無い、という概念の獲得は非常に大きな収穫でした。

”「その一冊」を読んだのは、「その一行」に出会うため”

というのは凄く良い言葉だなと思います。

・目次を熟読する
・セクションの冒頭と末尾だけ読んで真ん中を読み飛ばす
・引用とコメントを残す
・書くことを目的に読む

などなど・・ただすっ飛ばすだけで無く、目的と時間制限をもって読書密度を上げる工夫が満載の本でした。

経済学/経営学ジャンルな3冊

P.F.ドラッカーが『Harvard Business Review』誌へ寄稿した34本の論文がまとめられた超大作です。1950年代〜2004年という長期間にわたって書かれた論文集であるため、その時代時代の状況が垣間見えてそれもまた面白いです。

ある予想(予言)が現実におこっていることにドラッカーの慧眼ぶりを見ることができます。また、内容に学ぶことも多いのですが、学ぶことそれ自体が時代を見通す力を養うことを示してくれる勇気の書でもあります。

紙の書籍が8640円、オーディオブック版がフルセットで32400円と決して安くありませんが、それだけの価値がある本だと思います。私はまずオーディオブック版を3回ほど聴きこんだ後、紙の本を読みました。

今後の子供の教育の参考に・・と思って買ってみたら、教育経済学というマクロな視点の話で、教育政策の根拠となりそうな研究成果の数々が紹介されていました。

本書に書かれている内容は示唆に富んでおり、大変参考になりましたし、ここに書かれている事をベースに「自分の家の教育方針」みたいなものを考えるのは有りだと思います。

このシリーズも鉄板の面白さです。経営改革の難しさが分かるのは前作同様ですが、特にPDCAを回すってことも、本当の意味でやれてないなぁと身につまされました。

それにしても、今回は衝撃の結末。。人の業の深さを感じずにはいられない一冊に仕上がっています。

■夢へのアプローチが学べる2冊

植松さんがTEDxでやったプレゼンはかなり反響を呼んだので、知っている人も結構いるんじゃないかなと思います。本書も実に心揺さぶられる内容でした。

「あなたの夢を書いて下さい」という質問に対して「夢みたいな夢」を書いたら怒られるって風潮は替えていきたいですよね。夢みたいな夢を描いた人がいるから、社会はより便利で面白く、より豊かに、そしてより平和で安心して暮らせる様になったわけですし。

本書で書かれているように、やり方知らない人に助言を求めれば、そりゃ否定されるわけです。分からないことは怖いし、分からないことを認めるのは恥ずかしいですから。誰に聞くかってのは本当に大事だなぁっと。

本書のテーマは「夢」ですが、冒険しようとか、一歩踏み出す勇気を持とうとかそういう精神論的なのとは全然違います。

やりたいことや好きな事があって、どうしたらそれを実現出来るかを考えて、やってみて、上手くいかなかったら反省してやり直して、そんなことを繰り返して行こうっていう、ある意味地道なお話しか書かれていません。

子供の頃から否定されてもけなされても、ロケットを飛ばしたいって夢を持ち続け、遂にロケットを飛ばしてしまった植松さん。人間としても、親としても、仕事人としても、本当に参考になる考え方や物の見方が書かれた良書です。

オーディオブックで読了したんだけど、またもやグッときたし、ウルっとなってしまいました。

喜多川さんの本は全般的に好きなんですが、個人的には「君にあえたから」や本書みたいなちょっと甘酸っぱい感じの話が好きだったりして、本作はかなりストライクでした。

本書は植松さんに相当インスパイアされていて「空想教室」を下敷きに、色んな要素を組み合わせて喜多川ワールドを作り上げた、という感じです。

「空想教室」を聴いたときにも感じたことですが、気づかない内にいびつになってしまった「夢」に対する僕らの向き合い方を、もっと自然体な形に引き戻してくれます。本書を読むことで、どこかに置き忘れてきた子供の頃の「夢」を再発見し、今の自分が採れる違った形でのアプローチが可能となるかも知れません。

僕はきっと、まっすぐは進めないと思いますし、何度も立ち止まってしまうとは思います。それでも、何度でも”その場所”へ戻って思いを巡らせ、また「夢」に向かって歩み出したいと思います。

■ビジネス思考力をつける2冊

大前研一氏がここ最近の様々なキーワードや世界情勢を分かりやすく解説してくれる素晴らしい本です。特にアジアの情勢は必見ですぞ。

情報を与えるだけで無く、物の見方や考え方までも踏み込んで「これからのビジネスを考える人間はこれを押さえとけ!」みたいな感じでビシバシ指導してくれます。(純然たる日本企業に勤める身としては、バッサバッサ切り捨てられるわけですが)

考える材料と、それをどう料理するかの両方を一気に学べますので、グローバルにビジネスを考えたい、考える必要があるって人は読んで置いて損はない一冊です。

新聞というメディアについて考えさせられる本です。

「ネットニュースがあればいい」というのは速報性の観点から言えばYesかもしれませんが、取材と物書きのプロ達が世の中の出来事を社会、経済、政治、文化と多岐にわたってコンパクトにまとめている新聞というのは、やっぱり凄いメディアなんだと思います。

仮に自分がそれだけの事を調査しようとすれば、かなりの時間が掛かるし、情報を整理しきれるか、分かりやすく切り取れるかと言えば、かなり難しい訳です。そういうのに長けた人々が、自分の代わりに1日分の情報を集めて分かりやすくまとめてくれていると思うと、月4000円程度の出費というのは安いと言えるのかも知れません。

この本はそういう事に長けた人である筆者が「知的生産」を行う為の情報収集、整理、考え方、アウトプットについて丁寧に事例を交えて述べてくれる良書です。日本語がとても美しいので、人に読ませる文章とはこういう文章なのだなと、痛感せずにはおれません。

本書を読むことで、ごく自然に日常的な情報収集・整理・アウトプットができるだけの知識を得ることができると思います。また、本書に書かれている内容は物書きのテクニックではなく、プロフェッショナルとして身に付けておきたい情報リテラシですので、あらゆる職業の人にお奨めできると思います。

■最後に

ということで、2016年に読んだ本の中で良かったものを15冊紹介しました。

ご興味を持って頂けたなら、是非年末年始のお供に読んで頂ければ幸いです。

おまけ

かなりタイムリーなネタですが、KindleとKindle PaperWhiteがプライム会員であれば12/30まで半額で買えるみたいです。Kindleの購入を検討されている方は、この機会に是非!

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